dreaming on clouds

オーバー・フェンス　2016

監督: 山下敦弘
原作: 佐藤泰志
出演: オダギリジョー, 蒼井優, 松田翔太, 北村有起哉, 満島真之介

佐藤泰志の小説黄金の服に収められている短編作品
舞台は函館、函館らしい景色が随所に出てくる。
白岩義男（オダギリジョー）とさとし（蒼井優）の恋愛と職業訓練所の中の人間模様を描いている。

この女性像、さとしはどこかで見たような気がする。自由奔放で純粋、喜怒哀楽がはっきりしている。
誰に似ているのか、今ははっきり言えないのだが。北国の女性はそういうところがあるんだろうか。
彼女の個性的なところは、僕にはもう逆にステレオタイプのように思えてしまう。

妻がうつ状態になって子育てに悩んでいた。自分が帰ったら妻が子供の口にタオルを当てていた。
実家に返して、東京から函館に帰って来た。
しかし函館を訪れた妻の元気な姿を見て、妻を苦しめていたのは、自分だと自覚して泣き崩れるところがいい。
（実際にはうつ状態はそんな単純なことではないのだが）。そして妻は別れる決心をしていて、妻を置いて来た自分が気持ちを吹っ切れずにいるところがあったのも理由だろうが。

義男もさとしも現実の中で、自分自身を保っていくギリギリの中にあって、二人で現実の中に這い上がって行こうとしている。
さとしが見にきて、義男が最後にホームランをうつことで終わるのが単純な結末でいい。清々しく終わるところがいいんだろう。
でないと、今までの暗かった内容が吹っ切れない。

なんいしても蒼井優の演技力、魅力に尽きる映画もある。踊りの才能もあるんだと感心。

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