原作: 伏瀬
監督: 菊地康仁
漫画: 川上泰樹
声優: 岡咲美保, 豊口めぐみ, 前野智昭, 花守ゆみり, 古川慎,
アニメを見てこれも続きが見たくて漫画を買った。小説は読まないが。
通り魔に刺されて死んだ会社員、三上悟が転生して異世界の洞窟でスライムになる。
スライムが主人公で、あんまり強くなさそうだが、何でも食べてしまう捕食の能力で実は非常に強い。
ストーリーはゆったりと、微笑ましく進むんだが、次第に闇に包まれていく。それでも、登場人物の中には、ゴブタ、ガビル、シオンなど笑いを誘うようにできている。たとえ暴風之王ヴェルドラですら笑いを誘う。
異世界ファンタジーらしい、転生、魔法、超能力、精霊、ゴブリン、オーガ、悪魔、勇者、竜、魔王などいろんな要素が含まれている。
確かに、なろう系ではるが、登場人物の作りがうまい。そしてなろう系にしては、あまり女子に囲まれていない。
オーバーロードに多大なる影響を受けていると言う話だが、確かに森の中に村を作るところや、あまり女子とイチャイチャしないところはそうかも。それに悪魔を登場させるところは似ているかも。
シズとの逸話は確かに面白いし、その後、イングラシア王国に行きシズの心残りであった5人の子供たちを救う話も面白い。これはその後、特に、クロエとは複雑に物語がつながっていくのだろうが。
アニメでは、地位向上編、森の騒乱編、魔王来襲編、人魔交流編までである。
漫画では、次の魔王覚醒編までである。
アニメは、来年には、この続きが制作されるのが決まっている。
原作: 武田すん
監督: 米田和弘
掲載誌: ヤングマガジンサード
声の出演: 花江夏樹, 東山奈央, 花澤香菜
アニメと漫画
意外と面白い。このアニメも1シーズン終わって漫画が読みたくなった。ストーリーの設定はオリジナリティがあり、まだまだ謎が多いので、見始めると止まらないのである。
高校生の修一が、ゆるキャラ系の犬の着ぐるみに変身する。後ろにはチャックがあって、人が入れるスペースがある。クレアがその中に入って操るのだが。その入り方が、エロいのである。水着になったり、裸になったりと。やっぱり若い読者の心をうまくくすぐる作りになっている。これが男女逆だと。もはや少年漫画のジャンルでは無くなってしまうか。
クレアがツンデレで、今までのヒロイン的なキャラとは全く違うのもまたいい。
夾竹桃の山火事など、クレアの頭の回転の良さ、そして非情さがこのストーリーの鍵でもある。他の登場人物の能力も様々で飽きない。池内は、頭がカメラのように変化する能力者だが、アニメでは死んでしまうが、漫画ではこれから重要な役割を持つようになる。
よくよく考えるとどうしてクレアは能力を持たないのか? その理由については、今のところアニメでも漫画でも明らかになっていない。
アニメでは、普通のアニメ化という感じ。もう少しドラマティックな演出、描き方にしても良かったかも。もう少しダークと牧歌的な雰囲気のギャップを強く出しても良いかも。円達のグループはあっけなくやられてしまうが、もう少し個性を持した方が良かったかな。
ストーリーが進んでもまだ謎がいっぱいある。
修一とクレアでは、ペアになっても特別な力は出ないが、能力者の吉岡が入ったときは特別な能力をもち、修一の無くした記憶まで吉岡は知ることになる。
そして宇宙人が集めるコイン。本当に宇宙人はコインを集めるだけが目的なのだろうか?
もう100個集めた人間がいるのか?
エレナ、海斗、直人と修一との関係は?そしてほのかは?
修一と姉エレナは恋人同士だったのか?
修一とクレアは本当は?しかし二人の記憶も消されている。漫画では、消された記憶の中に、クレアと修一のただならぬ関係が時々出てくる。
原作: アネコユサギ
原作イラスト: 弥南せいら
監督: 阿保孝雄
声優: 石川界人, 瀬戸麻沙美, 日高里菜, 内田真礼
概要
岩谷尚文は、盾の勇者として異世界にある国家メルロマルクに召喚される。剣の勇者天木錬、弓の勇者川澄樹、槍の勇者北村元康も召喚されていた。
出発から数日目にして女従者マインから裏切りに遭い、金も信頼もすべて失ってしまう。 他人を信じられなくなった尚文は、パーティーの攻撃役として奴隷商人から亜人の少女ラフタリアを買い、2人での旅を始める。その後フィロリアルのフィーロを加えて正体を隠しながら行商を始め、「神鳥の聖人」と呼ばれるようになる。厄災の波に、メルロマルク王国、他の三人の勇者に、立ち向かう。
感想
アニメを見て意外と面白いと思った。シーズン1を見終わって、漫画も買った。
この話の面白いのは、メルロマルクの王とその娘から最初から嫌われている盾の勇者の設定や、三勇教の理不尽な盾の勇者に対する扱いは、同情して応援したくなってしまう。そこが、いつものヒーロー系でないし、なろう系でない。
尚文が信頼を回復して、王とマルティの陰謀が明らかになった時の彼らへの罰が、クズ, ヴィッチ と言う呼び方にすることだが。何だかもう少し考えた方が良かったかも。何だか尚文のレベルが低いように思えてしまう。
漫画について
作画: 藍屋球
漫画も読んんだのだが、藍屋球の絵は好きとは言えず、そして読みにくい。絵の下手さは置いておいても、もう少し、コマ割り、構成を考えて読みやすくして欲しい。
最初の設定はともかく、次第に、ラフタリア、フィーロ、メルティなど可愛い女子を仲間にしていくところはなろう系である。ストーリーの展開、構成はやや複雑でもう少し単純でスッキリした方がいいと思うんだけど。読み進めるほどにつまらなくなっていく。今の霊亀のあたりは、読んでいて辛い。複雑というか整理されていないストーリーである。
追加
ウィキペディアで盾の勇者の成り上がりを調べると、すごい情報が充実している。びっくりした。
クリエーター: デレク・シモンズ
出演: ジェシカ・ビール, クリストファー・アボット, ビル・プルマン
ペトラ・ハメスファールの同名小説
これは、面白い。見始めたら最後まで一気に見てしまう。久々に見たミステリーの傑作ですね。
幸せな家庭の主婦コーラが、白昼の浜辺で、衆人監視、そして夫、子供の前で、いきなり見知らぬ男に襲いかかり刺殺してしまう。しかしコーラには、その男が誰なのか、どうして殺したのか分からない。その若い男の演奏した曲の録音を耳にして、コーラの心の奥底に潜んでいたものが覚醒したのである。
彼女の不可解な行動を1人の刑事、アンブローズ刑事が次第に、彼女の失われた記憶と真実を探り出す。
コーラに何が起きたのか。5年前の独立記念日の週にコーラに起きた出来事が事件の謎をとく鍵であった。
アンブローズ刑事もかなり深い闇を持っている。隠された性壁が描かれていて、次第に彼の家庭が崩壊していく。
コーラの中で記憶が混乱している。どうして2ヶ月間の記憶がないのか。どうして麻薬中毒になっていたのか。
次第に、コーラの記憶が戻ってくる。
壁紙、地下室、スクールバス、J.D. 、マギー、
両肘の注射の跡、
ついに一番重要なことを思い出す。妹のフィビーのことを。
ストリーの設定としては、
フィビーが不幸にも死んだのだが、それまでに彼女がしたかったことができたのでコーラとしては満足していたのでは、
それなのに、あの音楽を聴いて、凶行に走るとは。
これは、パート8まで一気に見てしまった。コーラ・タネッティ役のジェシカ・ビール が本当に抑えたいい演技をしている。
シーズン1が最高で、シーズン3は非常に不評。
]]>東野圭吾の長編ミステリ小説。
原作:東野圭吾『マスカレード・ホテル』
監督:鈴木雅之
脚本:岡田道尚
出演: 木村拓哉, 長澤まさみ, 小日向文世, 松たか子
期待しないでみたけど、意外とよかった。あとで気がついたけど、東野圭吾原作だから良かったかも。
演技については、
キムタクもかなりいい演技ができていた。少し格好つけすぎだけど。最初のもさい刑事の雰囲気が、フロントスタッフになったら急に姿勢が良くなって一流のホテルマンのような仕草になるのはどうかな。少し刑事としてボロが出るくらいがいいかなと思う。キムタクにはもう一皮剥けて欲しい。
長澤まさみは、こんな役が今のはまりかもしれない。頑張っている雰囲気、真面目な雰囲気そして最後の笑顔が素敵である。
全体の流れとしては、
ストーリーの鍵となる小物が、ホテルのロゴ入り置物(鍵?)である。これは観客に知らせたくて、何度も映画中に現れる。しかしこれに気がつくのがポイントなら、刑事でなくて、ホテルスタッフが主人公でも良かったのではないか。刑事を主人公とする必要もなかった。それと山岸がホテルのいろんな宿泊客について話す(これがマスカレード・ホテルの由来であるが)ことで新田が犯罪を解くヒントにしている。この辺りが、原作の一番大事なところではあるが。どちらもそれほど事件が解決する繋がりと言えるのだろうか。
論理的に見れば見るほど逆に犯人の予想はできない。だからそうだったのか、そして演じている俳優に驚く。新田刑事、ホテルの置物に気づいてと!心の中で叫ぶ観客の気持ちが報われて、爽快感が生まれている。
もう少し詳しくプロット、サスペンスの設定を考えてみると
作品のプロットとして、連続殺人、殺人予告、謎の暗号などがあるが、よく考え直してみるとしっくりこない。連続殺人事件として3つあってから、どうして最後に自分の計画を持ってきたのか?殺人予告と、動機が矛盾している。本当に殺したいないならどうして殺人予告が必要だったか。犯人が頭が良いなら尚更である。
もう一人の殺人はどうして予告されていなかったのか。その殺人が他殺と疑われていなかったのなら、犯人はすでに成功体験をしている。それなら同様の手口で殺しをすれば良かったのでは。それも薬物で殺す手法を使うなら、ホテルでなくても良かったし。それに、連続殺人に見せかけるなら、自分が最初に殺人を犯して、後から連続殺人に見せかける方が目的が達成できるのに。殺人予告を解明してホテルの潜入捜査になるのもやっぱり無理筋。犯罪計画としても、非現実的、何とかホテルで起きる殺人事件にしたかったというところに、無理がある。
これは最初から設定ありきのストーリー作りだから無理があるのだろう。ホテル、刑事、フロント係の女性をどうしても絡めたかったんだろう。犯人は最初から逆恨みであるが、こんなに恨まれるかな。精神的に病んでいる設定かもしれないが。もう一つ、新田と能勢の関係が何だか不思議である。これは何か思惑があるんだろう。続編があればもっと詳しく描かれるようになるかも。
最後のシーンは必要だったかな?また映画を作る予定ならありか。
]]>原作: 夕蜜柑
キャラクター原案: 狐印
監督: 大沼心、湊未來
声: 本渡楓, 野口瑠璃子, 杉山紀彰
原作は、夕蜜柑の小説である。
メイプルの素人らしいプレイぶりと、それが、何だか功を奏してどんどんと強くなっていくところが面白い。何かなろう系というよりは、メイプルが可愛いアイドルのように思えてくる。そこが、このストーリーの良さだろう。
メイプルの現実でも友人のサリーは、全くメイプルと違うキャラである。数々のゲームをやってきたゲーマーであり、効率的なゲーム攻略を熟知している。この二人が組んだチーム言うなれば無敵である。
それにしても、メイプルの強くなるスピードが早すぎて、見ている方もついていけなくなる。笑。
意外とレアスキルが面白くてなるほどと唸ってしまう。それにスキルが、メイプルのイメージ全く逆の危なく怪し攻撃系であるギャップもいい。楓の木のギルドのメンバーも個性があって面白い。アニメの1シーズンの最後はあまりにも駆け足すぎた。もう少しゆっくりと、メイプルが強くなっても良いのに。強すぎても物語の展開としては面白くない。もう少しこれからはひねりが必要か。
このアニメは面白くて思わず漫画も買ってしまった。まだコミックスの方がアニメより進んでいないことは残念だが、アニメよりも詳しくストーリーが展開していくので、コミックスを買って正解だった。
]]>本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 2020
原作: 香月美夜
原作イラスト: 椎名優
監督: 本郷みつる
出演: 速水奨, 井口裕香, 田村睦心, 子安武人
アニメで見たが、最初は地味であまり興味を引かなかったが、いったん見始めるとなかなか面白い。現代日本に暮らす主人公が、念願である図書館への就職が決まった日に亡くなってしまう。転生した世界で自分が、天声したと気がついた時は、まだ幼女であるマインとなっていた。
このアニメもなろう系である。異世界、自分の能力は、現世での進んだ知識と強い魔力である。
何が面白いかというと、設定は、なろう系の中では、オリジナリティがあり、女性的な物語である。話の展開は丁寧に描かれていて、あまり退屈しない。
転生したことが気づいた時は、自分が平民の家に生まれた小さな子供マインであり病気がちで、現世の知識を持っていてもそれを活用する術がなかった。話はゆっくりと進んでいく。そして主人公マインの目的は、本を作り、本に囲まれて生きること。この目的は、意外と簡単に思えるけどやっぱり困難な道のりがあった。
転生したマインが身食いのせいで病気がち。しかしマインの周りには、家族だけでなく、ルッツ、ベンノ、神官長(フェルディナンド)など彼女を理解して助けてくれる人々がいる。マインが青色神官になった時には、神殿内の階級制社会のイザコザや本を作る段階が、詳しく描かれている。
アニメではまだ第二部 神殿の巫女見習いまでの話である。いずれこの後続きが放送されると思う。
]]>乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった... 2020
原作: 山口悟
キャラクター原案: ひだかなみ
監督: 井上圭介
出演: 内田真礼, 鈴木達央, 岡咲美保, 柿原徹也, 蒼井翔太,
転生した世界が何と自分が前世で嵌っていた乙女ゲームのヒロインだった。しかしいつもプレイしても破滅エンドになってしまうものだった。そこで転生した世界では破滅エンドにならないように頑張るアニメ。
一般の異世界ものと少し違うのは、異世界そのものが、前世でヒロイン、カタリナがやっていた乙女ゲームであること。それ以外の展開はさしてなろう系と違わないのだが。展開は、やっぱり苦労せずうまく生きていける。確かにストーリーのオリジナリティは、ゲームと違う破滅エンドにならないようにカタリナは頑張ることと、カタリナはいつか自分は、破滅してしまうと信じているところか。コメディ的な展開もこの作品の良さである。
なぜかネット的には人気が高いアニメである。でも、ヒロインが、何だか現代的な病気を持った女性の典型にしか思えないのはどうしてだろうか。明るく社交的である。言い換えれば、八方美人。誰にでもいい顔をしてしまう「嫌われたくない症候群」の物語でしかない。それでも異世界ものとしては、このふわふわと物語がうまくいくところが好きである。あまり考えなくて、軽い爽快感がいつもあるから。でもこれが現代の若者の特徴でもあるかもしれないとすると少し寒気がしてしまう。
]]>八男って、それはないでしょう! 2020
原作: Y.A
監督: 三浦辰夫
声優: 寺島拓篤, 早見沙織, 森久保祥太郎, 松井恵理子,
アニメでみたんだけど、1シーズンで十分という感想。
なろう系の漫画、アニメである。
生まれが貧乏貴族の八男で、貴族に生まれたが、"それほど"恵まれた環境にない。しかし、優れた魔力の持ち主で冒険者予備校に入ってから、とんとん拍子で出世していく物語。出世していく中で、前世のサラリーマンの経験を生かしながら、王や重臣たちとうまくやっていく。
ネットでの評価は散々である。アニメの描き方は、現在のレベルで標準。声優のパーフォーマンスも悪くない。
なろう系の物語は嫌いではないんだが、何か面白さがない。最初は面白かったが、これは設定が良かったからかも。その後の、家族内の相続問題や、王国の中の出世問題が、主人公の思惑通りにどんどんと解決してしまうからだろう。何処かに予想外の展開がない。なろう系で人気のデスマーチや魔王様リトライのようなワクワクするような展開がない。
特に、アニメの最後は中途半端に終わるから仕方がないが、あまりにつまらない結末すぎて悲しい。特に、最後は、重臣たちに根回しをしてうまくやるということであるが、これは、現世での生活臭くて、異世界で描かれても楽しくない。
なろう系は、
何の変哲もない主人公が異世界に行ったり転生して、そこで強い能力を得る。
結果的に努力なしに、別の世界では、自分の空想した生活が送れるもの。
原作: 原泰久「キングダム」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載) 監督: 佐藤信介 脚本: 黒岩勉、佐藤信介、原泰久 アクション監督: 下村勇二 出演: 山﨑賢人, 吉沢亮,長澤まさみ, 橋本環奈, 満島真之介, 大沢たかお
僕としては原作が好きだし、原作に近い配役、ストーリの流れが良かった。やっぱり中国らしい風景の壮大さやアクションは漫画にない良さがあった。惜しかったのは、昔のワイヤースタントの見え見えさが目立つことである。 楊端和が長澤まさみなのは驚きであるが、よく演じていた。アクションはあまりうまくないが、 あとは、もっと顔の刺青はもっと強調しても良かったと思うんだが。 河了貂を演じた橋本環奈はこれが橋本環奈というほどショートヘアでイメージが違ったが。演技はまだまだという感じ。 吉沢亮は、嬴政 、漂の漫画のイメージにぴったりだった。山﨑賢人の信はやや細めで美男子だが、これはこれで良かった。 王騎の大沢たかおは口の中に何か入れているかな。顔の輪郭を変えている。
確かに、中国の風景や、寛容の王宮の描き方が素晴らしかった。日本アカデミー賞で最優秀撮影賞、最優秀美術賞を獲得したのもわかる。
]]>監督: 田中亮 脚本: 古沢良太 出演者: 長澤まさみ, 東出昌大, 小手伸也, 小日向文世, 織田梨沙, 竹内結子 三浦春馬, 江口洋介
詐欺師の話であるが、最後にどんでん返しがあるのがわかりすぎていて、全くつまらなかった。何だかつまらない。緊張感がなさすぎ。爽快感もない。どこにどんでん返しがあるかがすぐわかってしまう展開である。どんでん返しは、観客が予想したものを超えて作られていないといけないのだが。 長澤まさみのファンだから、少しおちゃらけ感もあって最後まで見えたのだが。
スティングという名作映画を見ているので、そこまでは期待していないが残念な展開としか言えない。最後が見え見えである。
モナコとの出会いが、あまりにもわざとらしい詐欺で始まるのは何だかな? ダー子や観客を騙すならもっと徹底的な展開にしておかないと思ってしまう。 天才恋愛詐欺師のジェシーと絡みも何んだかと思ってしまう。冒頭のシーンは何だったか?? ダー子が騙されると思わせる展開でしかないと観客に思わせるためのシーンとは思うが。その後のダー子とジェシーの絡みがあまりネチネチとしてこないからロマンスらしくない。
ジェシーと赤星が組んでダー子達を騙そうとした。スパイとしてモナコを送り込んだ。 ダー子たちは赤星たちの動きを察知して、ラン・リウの偽物を使ってジェシーと赤星を騙し返した。というラインなのだが。なぜかこの筋書きがしっくりとこない。
なぜ赤星はダー子たちを騙す必要があったか?復讐?復讐ならもっと厳しいものになぜしなかったか。ダー子たちを香港警察に捕まえさせるような罠をかければ良いのに。なぜダー子たちの上前を跳ねるようなせこい詐欺にしたのか? 赤星が復讐をしたいのだったら、なぜ、恋愛詐欺師をパートナーに選んだのか?殺し屋の方がもっといいはずなのに。 モナコもすぐにダー子に寝返るし。 結果あまちゃんの赤星がまた騙されたというところなのだが。赤星は日本のマフィアという設定だったと思うんだが。やっぱり江口洋介を使っているから、それほど悪者にはできないのかな。
]]>監督: 原田眞人
出演: 堤真一、阿部寛、椎名桔平、宮迫博之、田中麗奈、黒木瞳
百鬼夜行シリーズの一つ
登場人物が多すぎて、そして話が複雑でわかりにくい。この京極堂、百鬼夜行シリーズとして本を読んでいないと素直に映画に入っていけない。前作の映画姑獲鳥の夏を見ていれば設定が理解できるかも。
百鬼夜行シリーズはミステリー性も高いが、中禅寺秋彦や榎木津礼二郎に不思議な力があったり、事件も怪奇的なところが多いようだ。特にこの物語は、匣の中に美少女の胴体が入っている。
この映画を見たのは2回目だが、独特の雰囲気、世界観が面白かった。ただ、最後の美馬坂幸四郎の実験棟、匣が崩れて落ちていく中はなんだかあまりも想像を超えた設定で理解できなところも多かった。
今回は、美少女連続殺人事件が起きている中、遺産相続の揉め事から、柚木陽子が彼女の娘柚木加菜子が失踪したために、探偵榎木津礼二郎に依頼することが物語が始まる。
そして関口巽、中禅寺秋彦、榎木津礼二郎が動きだし、次第に美少女連続殺人事件、元女優の失踪した娘,新興宗教の箱を祈る謎の教団 美馬坂近代医学研究所と謎が広がっていく。
久保竣公の小説の話が映画の冒頭に出てくる。箱の中にはみっしりと少女が詰まっていました。こえがその後の重大な鍵であるのは、最後まで話を知っていないとわからないのだが。
美馬坂幸四郎は不死の研究に没頭し人造人間を作ろうとしていた。そしてその人体実験された少女の体が箱の中に入っていたを子供の頃に久保竣公が見て精神異常をきたしたことがこの事件の発端である。
最後の展開も意味不明の中、美馬坂幸四郎も久保竣公も死んでいく。
それにしても美馬坂幸四郎が作った匣は、一体何だったのか。どういう人造人間を作りたかったかわからない。
柚木陽子と美馬坂幸四郎との関係はそれほどストーリーと関連しないのだが、こんな設定にまでする必要があったのだろうかと思ってしまう。
確かに柚木陽子の美馬坂幸四郎への盲目的な愛が、彼らの子供柚木加菜子を救うために?胴体だけで生かされることになるのだが。
それにしても、楠本頼子が柚木加菜子を突き落としたのは、首筋あった黒子というのだから、動機が怪しすぎる。
中禅寺敦子役の田中麗奈は、男装の麗人的な雰囲気で、このおどろおどろしい話の中で爽やかな存在でそこがいい。
中禅寺秋彦は、まさに堤真一節が炸裂している。中禅寺秋彦が、新興宗教、穢れ封じ御筥様の寺田兵衛を、陰陽道の呪文でやっつけるところが面白い場面である。
榎木津礼二郎も新しいキャラクターというよりは阿部寛そのものである。
柚木陽子役の黒木瞳は、これも黒木瞳節ですこし飽きてくる。
逆に宮藤官九郎が演じる久保竣公は新しいキャラクターを作っていて面白い。
柚木加菜子役の寺島咲、楠本頼子役の谷村美月もこの怪奇なストーリーの犠牲者であるが美少女役が似合っていた。
日本が舞台というが、明らかに中国である風景がある。ロケが上海で行われたのは関係しているのだが、わざわざ上海らしい風景を取らなくても良かったと思うけど。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)とは、魑魅が山の化けものを指し、魍魎は川の化けものを指す。魑魅魍魎というときは山河すべての怪を指している。
しかし映画の中で説明されているのは、魍魎は、かげのまわりにできるぼんやりとしたもの。魑魅魍魎は、狐狸妖怪のたぐい。と説明している。すこし意味が違うんだが。
再視聴 1回
]]> ]]>監督: ジル・バケ=ブランネール
出演: シャーリーズ・セロン, ニコラス・ホルト, クロエ=グレース・モレッツ, クリスティナ・ヘンドリックス
シャーリーズ・セロンのサスペンスドラマである。シャーリーズ・セロンが意外と地味な役なんだがやっぱり美しさは隠せないというところか。
最後のドンで返しというか真相が複雑すぎて、これを書いている時にどうだったかと詳しい状況を思い出せなかった。
28年前に家族を殺害された。母と姉二人が殺された。リビーは犯人から襲われたが、間一髪逃げることができた。
兄ベンーが犯人として逮捕され、終身刑に服している。
リビーはマスコミで騒がれ、かなりの額の援助を国中から受けて暮らしに困らなかった。
しかし今ではその資金もそこをついて、一家殺害事件の真相を書いた本もあまり売れない。
そこに殺人クラブという団体から手紙が届く。殺人クラブは過去に起きた事件について再度検証を行う団体だった。
クラブはリビーにあの事件を検証するために、重要な証人として参加して欲しいというものだった。
事件の真相について
真相を解く鍵は、当時の兄に付き合っている謎の女性ディオンドラを探すことだった。
当時母のパティは大きな借金を抱えて困っていた。母のパティは険金目当てに自分を殺す依頼をしていた
兄のベンは、自分の子供を妊娠したディオンドラと一緒に家を出ようとして家に戻り金を探していた。
そこに妹のミシェルに見つかり、ディオンドラはミシェルともみ合いになる。
それを見ていた妹のデビーは母のところに助けを求めにいく。デビーが母のところに行くと、殺人を依頼された自殺請負人のディールが母をナイフで刺し殺している所を目撃してしまう。
自分の顔を見られたディールはデビーをショットガンで殺してしまう。銃声に驚いたベンが部屋を離れるとディオンドラはそのままミシェルを殺してしまう。
ディオンドラは行方をくらまし、ベンはディオンドラをかばい、彼女がいたことを証言しなかった。
ディオンドラの本名がポリー・パームであることを突き止めたリビーは、ポリー親子に捕まってしまう。
最後の展開はやっぱり複雑で、同時に二つ悲劇が起こっていた。
題名のDark Placesは、リビーが襲われた時に隠れた場所と、その後ずっと彼女が真相がわかるまでいた場所なんだろう。彼女の証言によって兄ベンが有罪になったのも彼女の心の中に影を落としていたのだろう。
これは物語が進んでいく途中に、当時幼かったリビーが次第に何があったか思い出しながら事件の真相を探っていく話である。この物語の面白いところは、主人公がやや社会性を無くし欠けた一家殺人事件の被害者であること。そして事件の真相を探る殺人クラブの存在が面白い。
最後の展開でリビーの命も危うくなる。最後の真相がわかるまではドキドキする典型的なサスペンスドラマである。
ただ事件の真相の謎解きのサスペンスに集中していて、あまりリビーの人間性に迫っていない。
そこが物語として足りないところか。彼女がどうして野放図な生活をしてきたか。その問題は、この事件の真相がわかると、解決するのだろうか。
監督: 月川翔
出演: miwa, 坂口健太郎, 竜星涼, 真野恵里菜, 泉澤祐希
そうか100回か、これもタイムリープがポイント。
自分が愛している女性が死んでしまう運命を変えることができたら。
最初は大学生の仲良し組の映画と思っていたら、交通事故にあった葵海が大学の講義を受けて居眠りしている過去に戻っていた。
それは夢だったかと思った葵海は、次第に過去に戻っていることに気づく。そしてそのことを同じく知っていたのは、幼馴染の陸だった。
次第に明かされるタイムリープの秘密。そして葵海の運命。
陸はずっと葵海の運命を変えるためにタイムリープを繰り返してきたのだ。
そして葵海はその事実を知った時、陸がタイムリープの迷路にはまっていることを知る。
そして陸の囚われた心を助けるために、タイムリープを可能にするレコードを割ってしまう。
時は繰り返さないから、大切なのである。葵海の思い出を心の奥にしまっておいて、未来に向かって進んで欲しかった。
ということなんだろう。
僕はこの終わり方は悪くない。でもストーリーの盛り上がり方が、葵海がレコードを割る流れがあまりうまくない。
もう少しここの展開を工夫して欲しかった。
確かにmiwaの演技は下手だけど、このストーリーの展開なら許せる範囲。それより最初の演奏が素晴らしかった。
タイムリープを繰り返して運命を変えるバタフライ・エフェクトの映画が元にあるんだが、これを使った映画はいっぱいあるが、これは一味違う。
最後は、二人が結ばれて幸せな時を過ごして、運命に従っていくのである。
この展開は本当に悪くないんだが、なぜかどこか盛り上がりに欠けてしまう。最後に葵海が自分の運命を選ぶところの盛り上がりがない。そこが残念。
全体的に色調が明るく設定されていて、髪型、ファッションが韓国風なのが気になった。
タイムリープができるレコード、誕生日プレゼントのチョコレートのレコード、花火、バンド、マネージャーの里奈の恋心など面白い小道具、工夫があって面白い。
監督: 野村芳太郎
原作: 松本清張
出演: 丹波哲郎, 加藤剛, 森田健作, 島田陽子
これはかなり前にテレビで見た映画である。
ただテレビを見た時は、犯人がピアニストであり作曲家であり、芸術を表現する絶頂にありながら捕まってしまうドラマ性が強く印象に残っているだけである。
本浦千代吉のハンセン病についてあまり印象に残っていなかった。今回2度目に見た今回の映画では、なぜ和賀が三木を殺したかを考えながら見た。
三木巡査は善意の人であり、本浦親子に出会い、親切で秀夫の父本浦千代吉を病院に送った。そして本浦本人を養子にまでしようとした。
しかし何故、そんな善意にあふれた人を和賀(本浦秀夫)が殺したかだが。ここは映画では語られていない。この理由がわかるために、本浦秀夫の生きた道をただるしかないのである。
彼の作曲した宿命を聴きながら、彼の生い立ちを振り返ることが必要である。
本浦千代吉は病院に送られて本浦秀夫と離れ離れになってしまった。千代吉の健康状態を考えればそれがいいんだが。
三木はいいことをしたんだが、子供の秀夫にとってはかけがえのない父を彼から奪ったのである。別れて暮らさなくては行けなくなった。秀夫は天涯孤独になってしまった。
彼の額にある傷は誰がつけたか。別の村の巡査である。彼にとって、国家権力の象徴である警察は、いつも彼に対して迫害を加えてきたのである。
本浦親子の旅は、回想シーンからも痛々しいほどわかる。彼が高木理恵子に子供を産ませなかった理由も考えなくてはいけない。彼の母は、彼を父と共に捨てたのである。
当時ハンセン病は遺伝する病気と考えられていた。だから彼も捨てたのである。
本浦秀夫もいずれハンセン病を発病するのではないか、いつか自分の子供もハンセン病になるのではないかと恐れていたのである。子供を持つと彼の忌まわしい宿命がついて回るのである。
作曲家として成功した和賀(本浦秀夫)を訪ねた三木は、執拗に父に会うように説得した。それは彼にとって今まで築き上げてきた城、生活(砂の器)を崩そうとする憎い敵なのである。
三木は和賀(本浦秀夫)が自分の生い立ちを隠して必死に生きてきた気持ちをわかってやれなかったのである。
彼の父が、ハンセン病を患っている父であることが世間にわかれば、彼の生い立ち、戸籍の秘密がバレてしまうわけである。彼にとってはそれは許しがたいものである。
そして子供の頃に受けた仕打ちを思い出したのである。いつも三木は、自分の幸せを奪っていくと彼が思っても仕方がないのだ。
彼が三木を殺す動機は十分にあるのだ。それでも計画性はなかったのだろう。
三木は日本人大衆の良心の象徴である、しかしそれは、本浦親子にとっては憎むべき敵であったのである。
つまり日本全体がハンセン病を患ったの家族に迫害を加えてきたわけである。和賀が幸せを求めるためには、三木を殺さなくてはいけなくなったのである。それは悲しい宿命であったのである。
彼はそれを音楽で表現していたのである。そして自分の中に内在する宿命を。つまり虐げられた子供時代でも父と暮らした楽しかった日々を。
三木はおそらくらい療養所に入った父の千代吉から責められていた。息子の秀夫に会わせてくれと。彼とわかれて秀夫が行方不明になったのは三木のせいだと責めていたのである。
三木は秀夫が行方不明になったことも責任があると感じていたのだろう。だから和賀に強く父に会えと言ったのだが。しかし彼はやっぱりハンセン病を理解していなかった。
父の千代吉に秀夫が成功していることを伝えれば、きっと千代吉はそれで満足して2度と会いたいとは言わなかったと思う。
この小説は、今西警部補の粘り強い捜査と、罪を憎んで人を憎まずの態度が素晴らしいのである。方言とかめだが、東北ではなく島根県の亀嵩というところにたどり着くところが面白いである。
それにしても列車から白い紙吹雪を投げた女性から、それが殺人の証拠の可能性があると考えた吉村巡査も面白い。
最終的に、今西がどれだけ犯人和賀の気持ちを殺人の動機に迫っていたかがわかる映画である。
若い渥美清が出てくるのが懐かしい。丹波哲郎それにしてもの演技が本当にいい。それとやっぱりテーマ音楽の宿命が本浦親子の旅を素晴らしく描いていた。本当に映画と音楽がマッチしていた。
小説を読んでいないので砂の器のタイトル意味は想像でしかない。
本浦秀夫が子供の頃に求めたのは、作曲家になり成功していく人生(砂の城)ではなく、本当になにげない日常生活でお茶碗でゆっくりとご飯を食べたい普通の生活だったのである。彼はそれに憧れて、砂の器何個も作ったのだろう。