3月のライオン 前編 後編 2017

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3月のライオン 前編 3月のライオン 前編 後編 2017

監督: 大友啓史
原作: 羽海野チカ
出演: 神木隆之介, 有村架純, 倉科カナ, 染谷将太, 清原果耶

17歳のプロ棋士の話である。

将棋という勝負の世界で生きることは、育ての親も容赦なく破るところから始まる。
中学生でプロ棋士としてデビューしたというのは、今の藤井聡太棋士とも重なるところがある。
将棋の大局シーンが延々と続くのだが、藤井聡太の29連勝もあって最近は将棋のファンも多いんだろうなとつくづく思う。
この映画で将棋を好きになる人もいるんだろうな。ただ、中心は家族のドラマ、ヒューマンドラマ的なところだろう。将棋がわからなくても好きになれる映画である。

零が9歳で両親と妹を失った後に幸田の家で育てられる。好きなもない将棋は自分が生きていくために必要だった。
そして、幸田の子供の香子と歩は、好きな将棋を諦めさせられた。それほど将棋の世界は厳しものであるが。
零の幸田の家庭内でのいじめもあり、しかし零が去った幸田家は家庭崩壊へ向かっていた。
意外と将棋一直線の映画ではなく、家庭問題、人間関係が主体に描かれていることが映画見ていく中でわかってくる。
そして世話になった河本家のひなたのいじめもあり、物語を面白くしている。後編では、川本家の3姉妹を捨てた父親のせいで、若さのために零が河本三姉妹を傷つけてしまう時もある。

神木隆之介は、なるほど主人公桐山零のイメージに似ているんだが、もう24歳だし、なかなか中学生は演じられないだろうとも思うんだが。神木隆之介の学生服と袴姿がいいね、
川本あかり役の倉科カナが可愛かった。可愛いお姉さんというのがぴったりだ。
香子役の有村架純は、なかなかこの悪役にうまくはまれていないようだが。可愛いから出演していて楽しかった。
加瀬亮の宗谷冬司の役は、なるほど谷川浩司と羽生善治のイメージにかなり重なる。
染谷将太の二海堂晴信は、毎回約2時間30分にも及ぶ特殊造形(特殊メイク)を経て二海堂に変身するのだが、全くの別人としか思えない。個性が光っていた。

漫画は1巻だけは読んだかもしれないが、それ以外は読んでいない。映画を見ると、将棋の内容よりも展開が面白くて興味深い。
ただ島田が見落とした勝ち筋などは、将棋を知らない人も面白いと思うだろう。後半の後藤に対して劣勢になっても最後の勝ち筋を見落とさなかった零が面白い。
最後の最後まで諦めないのが人生に勝つ秘訣であるのを、幸田が娘に教えるのもいいシーンである。

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