The Wrong Man 間違えられた男 1956

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The Wrong Man 間違えられた男 The Wrong Man 間違えられた男 1956

監督: アルフレッド・ヒッチコック
出演: ヘンリー・フォンダ, ヴェラ・マイルズ, アンソニー・クエイル

ヒッチコックがいつもと違い、冒頭で、この話は実話を基にしていると話す。サスペンスというよりは、普通の生活をしている男が、突然強盗犯人と間違われ家族が不幸になっていく話である。

これは証言を基にしていて、保険会社の事務所を訪れたマーニーは、その事務員に犯人と間違われ強盗犯人の容疑をかけられる。
いままで真面目に借金を返しながら細々と暮らしてきたクラブではたらくベースプレイヤーのマーニーである。彼はイタリア系で敬遠なカトリック教徒である。妻の親知らずの治療費がないため、妻の保険を担保に金を借りに保険会社にいくのだが、強盗犯人の容疑をかけられてしまう。そして、目撃者からの証言は全て自分に不利に働く。アリバイを証明するために、夫婦で泊まったホテルに行くが、その時の目撃者は全て亡くなっていた。気落ちする妻は次第に精神が犯されていく。
裁判は、自分の不利なようにしかいかない。自分の味方のはずの、妻の妹夫婦も裁判を傍聴しているが、関心がない。陪審員は早く裁判を終わらせたくて暴言を吐く。弁護士のオコーナーは辛抱強く裁判を進めて、再審に持っていく。妻ローズは精神病院に収容されてしまう。
もう、望みがなくなったマーニーだが、そこにマーニーそっくりの強盗が捕まり、マーニーの冤罪が晴れる。しかし妻は精神が犯されたままだった。映画は2年後には精神病院を退院した妻が、マーニーの元に戻り幸せな家庭に戻りつつというエンドである。

いつもヒッチコックの映画と異なり、主人公は耐えるだけである。なんとか頑張ろうとするが、うまくいかない。どんどん自分が犯人にしてあげられてしまう。そこに恐怖があり、当時のアメリカにはこのような冤罪が有罪になるケースがたくさんあったのだろうと思う。証言制度と陪審員制度の矛盾をついたシリアスな映画と思う。

ヘンリー・フォンダのなんとも言えない善良で今まで質素な生活を送ってきた人間が狼狽しながらもなんとか冤罪を晴らそうと姿にリアリティがある。妻のローズ役のヴェラ・マイルズはサイコではジャネット・リーの妹を演じている。

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