火の鳥 乱世編 手塚治虫 マンガ少年編 1978- 1980

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hinotoriranse.jpg火の鳥 乱世編 手塚治虫 マンガ少年編 1978- 1980

手塚治虫の代表的な作品の火の鳥である。この乱世編は読んでいたと思うがあまりに記憶にない。それで読んでみたが、なるほど記憶に残らない作品だったのだと改めて思った。

残念ながらこれは手塚の駄作の一つだろう。ただの清盛と義経の話の手塚版でしかない。
まずプロットが悪すぎである。火の鳥の血を飲むと不死身になれる。そのために平安時代の源氏と平氏の戦い、源頼朝、義経の仲違いが起きたなどという設定はあまりに陳腐。もっと火の鳥を使うならもっと深い設定にしたほうがいい。
主人公の猟師のまきじと恋人のおぶうについても、もっとひねりがあってもいいのかも。結局は歴史上の人物になってしまっているだけである。COM版は実の妹であるおぶうと体も心も愛しあう関係だったと言うのもいいんだが、必然性がないので変更されたのかも。

最後の輪廻転生した清盛と義経が、猿の赤坊主と犬のとなり最初は友情があったが、最後は戦いになるのも宿命というところだが、最初はこの話も途中に挿入されていた。火の鳥は最後に、この輪廻転生を語るところにしか挿入されていない。

今回は火の鳥の役目は、仏と変わらず、死んだ清盛と義経に話して、輪廻転生を説くだけである。
時代的な観点としては、平氏、源氏も権力の追求ためには弱い村人たちを犠牲にするのはどの武士も変わらない。

手塚により何度も描き直されているんだが、やっぱりもともとの大きな設定に問題があると思う。まきじとおぶうの自分の運命を考えれば、最後はあの書き方しかないのだロウが、それは火の鳥と全く関係ないところである。清盛、義経もそうである。

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