新吾十番勝負 完結篇 1960

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新吾十番勝負 完結篇 1960

監督: 松田定次
原作: 川口松太郎
出演: 大川橋蔵, 大友柳太朗, 月形龍之介, 丘さとみ, 花園ひろみ

新吾十番勝負 完結篇である。これで話は終わるかと思いきや、二十番勝負につながるところが人気作品だったことがわかる。それにしても大川橋蔵の美剣士は素晴らしい。
四国の丸亀藩ら、三藩の指南役を相手にもしない腕なのに、まだまだ修行が足りない。真崎道場の真崎備前守にはまだ未熟と見破られる。ただこの未熟さは県だけではないと思われるが。

今回は丘さとみ演じる多加に、新吾は一目惚れをする。どうしてそうなったのかはあまりわからないが、それも多加は、新吾が打ちのめした佐々内蔵介の妻と名乗ったのに。実は多加は、老中酒井讃岐守の息女由紀姫だった。この話は、二十番勝負に続くらしい。

最後の午前試合の葵新吾と武田一眞の立ち合いが素晴らしい。これほどかっこいい立ち合いはなかなかない。新吾が一眞の太刀をひらりとかわして飛び、そして再度太刀を受け流して、打つ。そして颯爽と父、母の対面もせずその場を去る。
最後がまた清々しい。

完結編を見てなるほど面白い時代劇である。ただ葵新吾の奔放な生き方、考え方、暴れ方があまりに幼すぎると思えてならない。特に、笹本卯三郎が藩の責任を一身に負って切腹になるところ無理やり助けて、かえって笹本親子を死なせてしまい、追っ手を殺してしまうのはどうか。それに悩んで剣の修行に励むのもどうか。今の時代ならもう少し彼の青春の苦悩をもう少しリアルに描くだろう。

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