喧嘩鴛鴦 1956

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喧嘩鴛鴦 1956

監督: 田坂勝彦
出演: 市川雷蔵, 瑳峨三智子, 阿井美千子, 大河内傳次郎

市川雷蔵のデビュー三年目の作品だが、もう女性からは非常に人気が上がってきた時のものだろう。モテモテぶりがすごい。

最初の橋の三条大橋でのぶら下がり、旅籠屋の二階からぶらさがる、女風呂へ落ちて天井からぶらさがるのもおけい(阿井美千子)がいる。これが、園姫だったら恋に落ちたはずなのだが、どうしてかそういう設定にしていない。

腰元浪路と園姫がどうして追われているかは、設定は最初に語られているが、その後はあまり語られず、最後の結末もその展開とは関係ない敵討ちになってしまう。一場面一場面は楽しい設定になっているが、最後までのストーリーのつながりの一貫性が少ないのが残念。

新八郎が旅する途中に、京都所司代の刺客たちとの戦いを交えて女性に惚れられるのだが、そこがコメディタッチで、うまい展開である。最後の場面で新八郎は、ばったばったと敵を斬っていくのだが、そこはそれまでのコメディとは違う。敵はみんな途中で切ってしまえば良いのだが、それではコメディタッチが薄れると思ったのだろう、最後の部分が全く違うタッチで描かれているのは、両方の魅力を出そうとした仕掛けだろう。

この映画の懐かしさは、ミヤコ蝶々がまだ若いのである。いつもおどけた調子だが、これはゲスト出演なのだろうか、映画と関係のない南都雄二とのコントの部分が多い。大河内伝次郎が出ている映画を見る機会は少ないのだが、頭天堂がそうだったかとやっと気がついた。

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