罪の余白 2015
監督: 大塚祐吉
原作: 芦沢 央
出演: 内野聖陽, 吉本実憂
このストーリーはうまくできているようで、できていない。まず、木場咲が偽名を使って安藤を訪ねていくわけがない。これはすぐにばれる嘘だし、そして強く疑われる。そして最後の舞台は安藤のマンションであるが、あそこに行くのもおかしい。罠があると思った方がいいので、高校生の二人が自分たちのいじめで死んだ子の家に行くはずがない。
もし頭がいいいじめの天才なら、何もせず、目立たないようにするだろう。そして物事過ぎていくのをひっそりと待つのが本当である。親の怒りをかうように、嘘をついて家にいくことはないし、おびき出されていってしまうような馬鹿ではないはず。
木場咲の設定もやや御都合主義的である部分がある。性格には問題があるのはいい。まず自意識過剰であり、プライドが高すぎ。自分が友達の頂点に立っているという気持ちがある。安藤加奈が無意識で言った言葉にプライドを傷つけられたのでいじめている。そこはわかるんだが。学校でいじめをしていた実態がばれるのは嫌だろう。あれだけ頭がよくてアイドルになりたいならスキャンダルが一番問題になるのも自覚していたはずだが。それならもっといい子ぶっていたはずなのだが。
小沢早苗の存在もなんだか不思議。いてもいいが、ストーリー展開に必要な重要な意味づけがない。
映画の出来としては何か安っぽさがあるのはどうしてだろうか。これは撮影方法だろう。リアリティがうまく出ていない。簡単な照明のみで撮影されている。
ベタは、もともとオスが縄張りを持ち、縄張り内に入る魚に対して威嚇、攻撃する性格がある。これは品種改良して闘魚にしたり色の美しさを引き出した観賞魚もいる。
このベタが、木場咲を表しているのならそうだろう。
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