dreaming on clouds

予告犯 2015

監督: 中村義洋
原作: 筒井哲也
出演: 生田斗真, 戸田恵梨香, 鈴木亮平, 濱田岳, 荒川良々

動画サイトに新聞紙を頭に被った男が、社会の制裁と言いながら次々に事件を起こしていく。サイバー犯罪対策課の班長の吉野絵里香の気持ちの中に面白半分でネットを使って社会を混乱させるのはゆるさないという正義感を持って犯人を執念深く追う。派遣社員、ネット社会、産廃など現代のもつ問題点を浮かび上がらせながら、主人公の若者が真に求めているものを対照的に描いて、シャープに観客に訴えてくる。

ゲイツと吉野の戦いは、ネット上ではなく走ることなのがいい。そこに吉野の執念が見えていい。ゲイツと吉野絵里香は生い立ちは似通っている。二人とも幼い時に苦労したのである。でも結果は追われるものと、追うものになっている。そして吉野がシンブンシの犯人、奥田宏明の正体が分かり、余計彼女は彼に感情移入するのである。そして彼女はシンブンシ達の企みにまんまとはまっているのに気づくのである。結局彼女は奥田宏明を救うことができなかった。しかし吉野は、奥田宏明の思惑にはまることに爽快感を持って終わるのである。

吉野も、奥田宏明も幼い頃学校の給食費が払えなくていじめられた経験があるのだろう。二人とも友達がいなかったのだろう。そして最後に奥田が求めたは、裏切られない友人関係である。彼は自分が死ぬことで、友人から裏切られず、友人関係を続けられるのだから。

この映画は、やっぱり脇を固めている俳優がいいので味わいがあるのは当然。ただ、いつもこんな役で出てくるだろうと思われる役者を、想定内で配役されているのは新鮮味に欠ける。戸田恵梨香の吉野絵里香役はどこかで見た映画（SPECなど）と設定があまり変わらない。

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