The Two Faces of January ギリシャに消えた嘘 2014

  • 投稿日:
  • 更新日:
  • by
  • カテゴリ:

The Two Faces of January ギリシャに消えた嘘 2014

監督: ホセイン・アミニ
出演: ヴィゴ・モーテンセン, キルスティン・ダンスト, オスカー・アイザック

英語の題は、The Two Faces of Januaryである。Januaryの語源はJanus。ローマ神話のヤーヌスが始まりである。ローマ神話の出入り口と扉の神。前後2つの顔を持つのが特徴である。一年の終わりと始まりの境界に位置し、1月を司る神である。

原作者はパトリシア・ハイスミスで、太陽がいっぱい(リブリー)を書いた人である。内容はなるほど、太陽がいっぱいに近いところがある。ハイスミスらしく最初は我慢して後半の展開まで待たないとドキドキしないのである。中盤まではかなり退屈な映画。最後の展開に面白さがある。特に3人がクレタ島に逃げて、迷宮の中に入るところから作者の狙いがわかる。クレタ島にあるクノッソス宮殿は、ギリシャ神話のミノタウロスで有名。迷宮から生きて出られたものはだれか。
しかし本当の迷宮は、チェスターの心の中にあるのです。

米国人青年ライダルが、裕福なアメリカ人夫婦に惹かれるのだが、実際に彼が惹かれたのは、妻コレットではなくチェスターじゃないかと思うんだが。ライダルの父が亡くなって手紙をもらっているのだが、その父と重ねてチェスターをみているように見える。なぜだろう。
原作ではやっぱりライダルはチェスターを初めて見かけたとき、亡き父にそっくりで驚いたのです。だからライダルはチェスターに惹かれているのである。

そして英語の題名のThe Two Faces of Januaryは、ライダルとチェスターなのです。
チェスターは、ライダルが自分を助けるのはなぜだろうと思い、金なのか妻なのかわかならくなるのです。ライダルは、父に似たチェスターに惹かれるのです。たとえ悪者であってもなぜか助けてしまう。何か彼に憧れがあるのです。

アテネの街、クレタ島、そしてインスタブールと旅情豊かで、それだけでいい映画なんですが。途中までの盛り上がり方、途中のライダルとチェスターの二人の感情がうまく表現されていればもっといい映画になったのに残念です。
アルコールではウゾのコメントがある。ギリシャの酒である。

My Rating(評価): 12/20
アクセス数:7