くちびるに歌を 2015

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くちびるに歌を 2015

監督: 三木孝浩
原作: 中田永一
出演: 新垣結衣, 木村文乃, 桐谷健太, 恒松祐里, 下田翔大

この作品は現代版二十四の瞳というところか。産休に入る音楽教師の代理として、故郷、長崎の五島列島に戻った柏木ユリと合唱部の生徒の交流を描いている。

なかなか生徒に心を開かない柏木ユリと合唱部の仲村ナズナたちと対立が生まれる。そして柏木ユリは課題曲の手紙 〜拝啓 十五の君へ〜の練習のため、"15年後の自分へ手紙を書く"という宿題を出す。
桑原サトルの手紙に書かれている15年後の自分に対するメッセージを読み柏木ユリは、自分と同じように15歳の生徒たちが悩みを持っていることそしてたくましく生きていることを知る。それぞれの生徒たちには、複雑な家庭事情がある。桑原サトルには、自閉症の兄がいる。そして仲村ナズナの父は愛人と蒸発していた。そんな彼らがひたむきに生きている姿を見て、柏木ユリも恋人の死から立ち直り始める。そして最後の合唱コンクールで奇跡が起こるのである。

幼い頃の仲村ナズナへの母の言葉が、桑原サトルの兄から告げられる。なずな、泣かんとよ。前進、前進。あたかも母が自分のことを見ていたのように。そして兄の前で中五島中のメンバーが歌い出すと、そこにいた他の中学校の合唱部も加わり彼に歌を歌う。奇跡が起こる。
それにしても観客を泣かす絶妙なタイミングである。

なずなの母の言葉は別の誰かから告げられるのエピソードは、別のストーリーにもあった。なんだが思い出せないが。

いつも黒板の横にある標語がいい。

勇気を失うな
くちびるに歌を持て
心に太陽を持て

なんにしても手紙 〜拝啓 十五の君へ〜は、やっぱり心に残る歌である。

最初の言葉の拝啓、15年後の私へ。あなたは覚えていますが。先生との出会いが、私たちの人生の物語ば大きく変えたことを。
実際に、柏木ユリとの出会いが彼らにどんな人生の変化をもたらしたのかはわからない。彼らはいつものように生きていたし、頑張って生きていた。
何をしたかといえば、混声合唱団にしただけかと思うんだけど。
ただ、柏木ユリ彼女自身の苦しい過去から立ち直っていく過程を生徒が見たことが、生徒たちにとって本当に価値あることなのだろう。


新垣結衣のクールさが目立つんだが、やっぱり美人はいいね。それで笑うと、最高になるから。
中田永一の作品には、百瀬、こっちを向いてなどがある。
監督の三木孝浩は、僕等がいた、陽だまりの彼女、ホットロード、アオハライドなどの青春映画を監督している

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