Birdman or The Unexpected Virtue of Ignorance バードマン あるいは 無知がもたらす予期せぬ奇跡 2014

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Birdman or The Unexpected Virtue of Ignorance バードマン あるいは 無知がもたらす予期せぬ奇跡 2014

監督: アレハンドロ・G・イニャリトゥ
出演: マイケル・キートン, ザック・ガリフィアナキス, エドワード・ノートン, エマ・ストーン, ナオミ・ワッツ

第87回アカデミー賞作品賞, 監督賞, 脚本賞, 撮影賞

バードマンの映画で有名になったリーガン・トムソンが、落ち目になり、ブロードウェイで成功しようと演劇を企画する。そしてプレビュー公演が始まり、問題が山積する。彼自身の自信もなくなり絶望的な思い出本公演を迎える。
おそらく彼には元大スターらしく自分が奇跡が起こせるという幻想があり、自分の楽屋では超能力を発揮する。
長回し撮影がこの映画の評価されているが、確かに見ててそう思った。確かに劇中劇的なところがあり、彼らが映画の中で演劇のようにセリフを喋り続け、それをワンカットで撮影している。なんだか息がつまるほどのリアリティがある。

題名の意味も難しいのだが、無知がもたらす予期せぬ奇跡は、タビサのリーガンの演劇に対する批評の題名でもある。タビサは、プレビュー公演を見て、リーガンは劇場芸実に対して無知と信じてきたが、本公演を見て現実感のある血が飛び散った自殺劇をみて、感激して記事を書いたのである。
ただ、これが本当に演劇だとは、監督も思っていない。演劇の批評なんて、一部くだらない批評家にいたずらに振り回されているに過ぎないと言っているのだろうが。

最初と最後に空中を飛ぶ炎に包まれた隕石のようなものは、一体なんだろう。
サムが最後に見たものはなんだろう。彼女は微笑んでいたが。僕は、リーガンが外で飛んでいると思うのだが。

この映画の良さは僕にはわからない。観客に最後に想像させるところもあるのだが、最初の設定に幻想と現実が混在していて、どうとでも取ることができるので、それで観客に考えろなんて言うのはちゃんらちゃんらおかしい。
なんとでも想像できるし、結論などない。そんなもの知的体験とは全く思えない。観客を、ただ出口のない迷路に入れて迷わせるだけである。迷っているだけが楽しい観客や人からのお仕着せの評価が好きな観客だけが楽しめる映画である。

リーガンを演じたマイケル・キートンは、ティム・バートン監督のバッドマン、バットマンリターンズでバットマン役立った。だからみているとバードマンはバットマンのパロディみたいに思えて仕方がない。楽屋のポスターもバッドマンに少し似ている。
バットマンリターンズは1992年に封切られたもので、映画の中でリーガンはインタビューで1992年以来バードマンは演じていないと言っている。
監督のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥは、バベルを作っている。

原作はレイモンド・カーヴァーの短編小説、愛について語るときに我々の語ること
そして最初のクレジットに出て行くる
"And did you get what you wanted from this life, even so?
I did. And what did you want?
To call myself beloved, to feel myself beloved on the earth."
レイモンド・カーヴァーの墓石に掘っていある言葉である。

アカデミー撮影賞をこの作品で撮ったエマニュエル・ルベツキは、長回しで撮影されたものと思わせるようにかなり撮影方法を工夫したようだ。

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