一番美しく 1944

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一番美しく 1944

監督, 脚本: 黒澤明
出演: 志村喬, 菅井一郎, 入江たか子, 矢口陽子

黒澤明監督の第2作である。
1944年の作品である。まだ日本が戦争の真っ只中にできた映画である。
撃ちてし止まぬから始まり、情報局選定、国民映画である。戦意昂揚映画の一環として企画されたものであるのは確かである。
題名が"一番美しく"である。これが何を意味しているかは映画を見ればわかる。
太平洋戦争も末期に近づいてきたころ、女子挺身隊として軍需工場に配属された若き女性たちの青春、その日常を描いている。
人を思う心、団結力、そして昔懐かしい言葉の滅私奉公がテーマではある。ただここで描かれているのは、戦争中だけでなく、いつの時代にもある若い女性たちが団結して人のために尽くす真っ直ぐで素直な気持ちとその献身的な美しい姿である。
彼女たちの父母を思う心、病気になっても隠して仕事をする、母が病気でもそれを隠して働く、暗い世情の中でそれぞれの出来事が非常に生き生きと描かれている。どの時代の世代が見ても知らずと感動してしまう映画である。

女子組長の渡辺ツルを演じた矢口陽子は、この映画の後黒澤明監督の妻となる。
タラワ、マキン、クエゼリン、ルオットの意味がわからなかったが、日本軍の玉砕地である。
工場生活のリクリエーションにバレーボールが使われているのが。なんか象徴的であり、予見的な気もする。

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