ぶどうのなみだ 2014

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ぶどうのなみだ

監督、脚本: 三島有紀子
出演: 大泉洋, 安藤裕子, 染谷将太

残念ながらストーリーは、空回りである。言いたいことと、実際に起きていることに現実的な繋がりが見えない。設定がメルヘン的でおあるのに、そこにッしていないのだ。それにこれはワインの話だからかなりワインを知っている人が見るのに十分耐えうるバックグラウンドがあるかと言えば、単なる表面的な知識しかない。

ぶどうが深い根を張らしているのはわかるんだが、だからぶどう栽培が成功するとは言えない。
エリカがヒースが荒地だと誤解していたと言うんだが、ヒースくらい理解してくれと言いたい。イギリスに母が行ったなら、嵐が丘くらい読んでいないのか!。どうしてアンモナイトを掘っているのかも全くわからない。それが母と繋がりを否定しながらも母を捜しているんだとは思うが、あまりも突拍子もない行動だ。
空知の中も不思議な人ばかりである。おとぎ話のような設定でもあるが、ぶどう作りの現実についてはっきりわからない。
ワインになってからアオは捨てているが、ワインになってからがっかりしているならそれはぶどうが悪いんじゃなくて発酵の方法が下手だったということだが。熟さなかったピノ・ノワールならロゼにしてしまえばいいのに。
最初の頃のピノ・ノワールのぶどうはまったく色づきが悪い。映画の後半ではしっかりしたぶどうの房をつけた色づきの良い熟した房だったのはいいが。ピノ・ノワールの熟成にミズナラ樽を使うのはいいんだろうか?確かにミズナラ樽熟成した塩尻マスカット・ベーリーAはなかなか美味しかったのだが、これはマスカット・ベーリーAの臭みをかくす効果があったのだが。本来の上品なピノ・ノワールにオーク以外の樽を使っても、どうしての育てるのが難しいピノ・ノワールを作っているのと言いたくなってしまう。

それにぶどうのなみだという題名なのに、本当に厳しい冬を過ごして春が来たという物語自体にはあるのだが、季節感が映画からは伝わってこない。

りりぃが出演しているんだが、本当に懐かしい。

協力は空知の山崎ワイナリー

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