Enemy 複製された男 2013

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Enemy 複製された男 2013

この映画はいろんな解釈があるんだが。大きな二つの解釈に分かれる。
1.アンソニー(アダム)の幻覚であり、浮気をして交通事故にあい、その後精神を病んで二重人格のようになっている。
2.もう一つは人間社会に住み着いた蜘蛛の異星人がアンソニーと同じ姿形で近づいた。

それにしても映画の中ではストーリーの解釈として重要なヒントが出てくる。
カオスとは未解読の秩序; Chaos is order yet undeciphered
アダムが繰り返し講義で話す、思考のコントロールは知識の制限、教育の制限で起こると言っていること。この講義はなぜか2度出てくる。もう一つは重要なことは2度起こる。最初は悲劇だから2度目は喜劇だ。

監督は、浮気をしている既婚男性の話で、彼が浮気相手から妊娠している妻のもとに戻るまでの潜在意識の視点から描いた作品とのこと。
それならば、浮気している男の話なのだが。


アダムとアンソニー違いは、アンソニーが指輪をはめていることとブルベリーがアンソニーが好きで、アダムは嫌い。
アダムの母はアダムと呼ぶし、ヘレンの妻はアンソニーと呼んでいるので二人が同一人物で偽名を使ってヘレンと結婚しているとは考え難い。ヘレンがアンソニーに母から電話があるというのだが。
映画では二人は全く同じであるから、アダムとアンソニーの違いは指輪をしているかしていないか。一人で住んでいるのはアダム、ヘレンと住んでいるのはアンソニーである。アダムは、歴史の先生、アンソニーはちょい役の俳優。

ただアンソニーは6ヶ月間俳優業をしていない。そしてヘレンは妊娠6ヶ月である。

アダムは最初の母の電話によると新しいアパートに移り住んだ。

アダムのアパートにあるツーショットの写真が二つに切られてアダムしか写っていない写真。ところがアンソニーのところにはヘレンと写っている写真がある。
確かにこれは浮気を思わせるし、写真を破ったのは浮気相手のようにも見えるが。

アンソニー実際に過去に浮気をしていた。そしてヘレンはそれを責めている。

大事の蜘蛛のシーンは4度出てくる
最初の秘密のパーティーで、金色の器から出てきたタランチュラ
アダムがみる夢のなかに、上下逆転して歩いてる蜘蛛の顔をしたヌードの女性。
トロントの都市をゆっくり歩く強大な蜘蛛
そして最後のシーン。


二人が同一人物としても矛盾点がいっぱいある。

実際に二人は会っている。二人があったホテルは、アンソニーがよく浮気で使うホテルだろう。ここで実際に二人であっている。

母は、アダムと言っている。ヘレンはアンソニーと呼んでいる。どうして名前が違うのか。そしてヘレンが言及しているアンソニーの母が誰なのかはっきりしない。

ヘレンはアダムからかかってきた電話について、アンソニーに一体誰なのかと質問している。

どちらかが仮の姿で偽名、もしくはどちらかが幻覚で、または過去の記憶との混乱にしてもおかしい。ヘレンはアンソニーと呼び、母はアダムと呼ぶ。


最後のアダムのため息は、はーとするため息。大きな蜘蛛のなかに見えたブロンドの髪。僕は最後のシーンで人間社会に住み着いた蜘蛛の異星人がアンソニーと同じ姿形で近づいた。そしてアダムの恋人メアリも蜘蛛で、嫉妬したメアリがヘレンを襲ったので、ああーというため息をついたのかと思った。

題名複製された男というのも問題である。オリジナルはEnemyである。全くニュアンスが異なる。Enemyなら誰が敵なのか探るのだが。複製された男という題名だと観客を最初からミスリードしてしまう。

どちらにしても、この映画の作りはどのようにでも解釈できるカオスの設定だろう。これ以上考える必要はなさそう。答えは観たた人が出したのは答えで一つではない。

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