Det sjunde inseglet 第七の封印 The Seventh Seal 1957

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Det sjunde inseglet 第七の封印 The Seventh Seal 1957

監督: イングマール・ベルイマン
脚本: イングマール・ベルイマン
出演: マックス・フォン・シドー, グンナール・ビョルンストランド, ベント・エケロート

この映画の何がいいんだろうか。不思議と惹かれる魅力である。確かにベルイマンだからと言われればそうなんだろうが、どのシーンでも、観客を惹きつけるものがある。どれも説明的ではなく、次に何が起きるかわからない、いつも驚きのあるシーンである。この物語は、ダンテの神曲の地獄編のように、当時の人々を描く地上編みたいである。

最初にあるのは光ありきである。このプロローグで始まる。
海岸に着いたアントニウスとヨンスは最初寝ているが、アントニウスが起きて、祈里あげた後にすぐに死神が現れる。死神は第4の封印である。(第4の封印に青ざめた馬あり、これに乗るものの名を死という)第5の封印は殉教者であるが、アントニウスは殉教者にはなれなかった。
死神はアントニウスにお前の命運は尽きたと話すが、アントニウスは死神にチェスを挑み勝てば自由にしてくれと頼む。

アントニウスとヨンスは十字軍の遠征から故郷に帰って、様々な人に出会う。これは、先に書いたようにダンテの神曲、黒死病の蔓延したヨーロッパの世相を描いた絵巻物みたいである。神学者でアントニウスを十字軍に従軍することを説いた男はただの泥棒になっていた。彼は、疫病で死ぬ。
疫病が蔓延しこれが神による天罰と考えた人々は自分に鞭を打ちながら行進し続ける狂信者達。魔女、不貞を働いた鍛冶屋の女房と旅芸人。

ヨフは聖母マリアと幼子の姿をしたイエス・キリストを見る。その後アントニウスとチェスをしている死神の姿を見て逃げる。旅芸人のヨフとミアそして彼らの子供ミカエルは助かる。どうして彼らは助かるのだろうか。彼らは素朴に神を信仰しているからだろう。そして彼らに希望があるのである。

騎士のアントニウス(マックス・フォン・シドー)が物語の中心人物であるのだが、従者のヨンスの方が世の中を達観している。アントニウスは、自分が無くしかけた信仰に必死にしがみつこうとするが、ヨンスは無信仰であり、アントニウスの信仰を軽蔑しているくらいな態度である。
アントニウスは、死神に(教会で死神とは知らずに)信仰心が薄れたことを告白し、神は本当にいるかと問いかける。そして大事なチェスの戦略まで教えてしまう。

最終的に死神に連れて行かれるのは、6人であるが。丘の上を踊りながら死神に連れて行かれている。総勢7人であり、第七の封印の次の七人の天使がラッパのようにも思える。

十字軍とペスト(黒死病)の時代考証はどうだろうか。本当の十字軍は11世紀から13世紀頃、ペストが流行ったのは14世紀である。確かに正式には認められていないが、14世紀にも遠征は出ている。

死神とのチェスでは、アントニウスは最後に負けるのであるが、なぜ死神は道連れを連れて行くのか。死神とのチェスをしている間に、逃げる旅芸人一家は助かるのは、彼らの宗教心と純粋さとヨフに死神が彼らを連れて行きのを目撃される証人とするためだろうか。

イングマール・ベルイマンはなにをここで描こうとしたのだろうか。中世にヨハネの黙示録の予言が現実となったような事態を描いているのだろうか。僕にはダンテの神曲のようにヨハネの黙示録のような世界が繰り広げらるのが、騎士アントニウスと従者ヨンスの目を通して描かれているように見える。僕にはこの映画はプロローグであって、本当は死神に連れて行かれた人々の話が続くのではないかと思えるのだが。

騎士のアントニウスを演じているのは、マックス・フォン・シドーである。彼はエクソシストのメリン神父を演じていた。この映画のなかの、死神とチェスをする彼の厳かな何か神秘的な雰囲気が宗教的な映画に今後出るようになるのを予感させる。


第七の封印 新約聖書のヨハネの黙示録から採られたもの

ヨハネは神の手に巻物があるのを見る。これは終末をもたらす特別な巻物で、7つの封印 がしてあり、これらの封印の1つを開くごとに、終末に関する出来事が発生する仕組みになっている。

子羊が七つの封印を開封する。子羊はイエス・キリストである
第一の封印
小羊がその七つの封印の一つを解いた時、白い馬が出てきた。そして、それに乗っている者は、弓を手に持っており、また冠を与えられて、勝利の上にもなお勝利を得ようとして出かけた。
第二の封印
赤い馬が出てきた。そして、それに乗っている者は、人々が互に殺し合うようになるために、地上から平和を奪い取ることを許され、また、大きなつるぎを与えられた。
第三の封印
黒い馬が出てきた。そして、それに乗っている者は、はかりを手に持っていた。
第四の封印
青白い馬が出てきた。そして、それに乗っている者の名は「死」と言い、それに黄泉が従っていた。彼らには、地の四分の一を支配する権威、および、つるぎと、ききんと、死と、地の獣らとによって人を殺す権威とが、与えられた。
第五の封印
神の言のゆえに、また、そのあかしを立てたために、殺された人々の霊魂が、祭壇の下にいる。(殉教者)彼らは大声で叫んで言った、「聖なる、まことなる主よ。いつまであなたは、さばくことをなさらず、また地に住む者に対して、わたしたちの血の報復をなさらないのですか」。
第六の封印
大地震が起って、太陽は毛織の荒布のように黒くなり、月は全面、血のようになり、天の星は、いちじくのまだ青い実が大風に揺られて振り落されるように、地に落ちた。
御怒りの大いなる日が、すでにきたのだ。
第七の封印
半時間ばかり天に静けさがあった。

最後に第七の封印が開かれると、それぞれにラッパを持った7人の天使が登場する。これらの天使の登場によって、黙示録の記述は地上における終末の出来事の描写を開始するのである。
神が手にした巻物の7つの封印を開くことでもたらされた終末の出来事

その後終末が来て、黙示録に記載されているバビロンが滅び、一時サタンが自由になるが、やがてキリストの千年王国が始まりその後、サタンが神の民と戦い滅ぼされる。最後の裁きがあり、いのちの書に名のあるものだけに新天地が与えられ、イエス・キリストの再臨がある。

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