そこのみにて光輝く 2014
監督: 呉美保
原作: 佐藤泰志
出演: 綾野剛, 池脇千鶴, 菅田将暉, 高橋和也, 火野正平
日本の小説らしい重く深い男女の間柄を描いている。
傷を負ったものどおし、なにか世間にたいして胸を張って歩けない者同士がお互いの優しさを感じて愛し合う。お互いにその雰囲気と優しさに自分たちの安息の地を求めている。
お互いに深く傷つきながら次第に生きる力を取り戻していく。
最後の結末にも深く心に染み渡る。
原作の佐藤泰志は、函館出身で函館を舞台にしたしみじみとした題材を使うことが多いんだろう。1990年に自殺している。その後絶版になっていた作品が再評価されている。
菅田将暉のなにか、熱い演技がいい。池脇千鶴の表情が、いつもの表情なんだが、ちゃんと意味があるんだな。綾野剛は全身から漂う雰囲気がいい。
函館を描いているが、観光地らしいところはどこも出てこない。
函館弁がいいね。少し北海道の中でもちがうのかな。あの家があるのは、どこの海岸だろう。
そこのみにて光輝くという題名は、特にそこのみに引っかかるのだが。英語の題名はTHE LIGHT SHINES ONLY THEREとなっているから、only thereでよいのだろう。そこには(人生のどん)底の意味もあるんじゃないかと思ったんだが。
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