Ender's Game エンダーズ・ゲーム 2013

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Ender's Game エンダーズ・ゲーム 2013

監督: ギャヴィン・フッド
脚本: ギャヴィン・フッド
原作: オースン・スコット・カード
出演: エイサ・バターフィールド, ハリソン・フォード, ヘイリー・スタインフェルド, アビゲイル・ブレスリン, ベン・キングズレー

この映画は、やっぱり原作が古い。そのため、この作品のオリジナリティが今まで見て来た映画や漫画、小説によって損なわれている。どこまでがこの原作のオリジナリティなのかもうわからなくなっている。それでもなおこの映画の質の高さ、原作の質の高さを感じるのはどうしてだろう。

エンダーの存在感は、オリジナリティを感じる。それは運命の子である。映画では、エンダーという名前でしか呼ばれていないが、原作ではアンドルー・ウィッギンである。Enderとはこの戦いを終わらせるものという意味だろう。エンダーのリーダーシップやカリスマ性の描き方は新鮮で独創性を感じる。最後のエンダーの行動こそが悩めるリーダーをしっかり表しているのだが、この映画はそれまでの過程の中でのエンダーの成長や悩む姿を十分には表現できていない。それは、全体に感じることなのだが、この物足りなさは、かつての映画デューン砂の惑星と同じようにかなり長いストーリーをダイジェストにして映画をつくっているところだろう。ハリー・ポッターシリーズを一作で終えてしまったような感じがする。

この作品の設定のエイリアンによって征服されたあとの地球を描いているところはかなりオリジナリティが高いのではないかと感じる。しかし天才の子供が、軍の中心人物になる設定においては、機動戦士ガンダムの方が、1979年からだからオリジナリティがある。訓練やシミュレーションがどんどん発展して行くとこらは非常に面白い。最後に行われた訓練については、何となく予想できてしまうのはやはり原作がふるいからだろうか。

このエンダーのゲームは、1985年にオースン・スコット・カードが書いたエンダーのゲームと続編のエンダーズ・シャドウを融合させたもの。映画の中ではエンダーの詳しい背景は書かれていない。地球では少子化政策(これから宇宙戦争に備えるためには、普通は少子化対策はしないはずだが)により、一家族で2子までしか子供を育てられなかったが、長男ピーターと長女ヴァレンタインの優秀さから、ウィッギン家には特別に3人目の出産が許された。その3人目が、運命の子アンドルー(エンダー)・ウィッギンだった。

ハリソン・フォードはさすが宇宙のSF大作だから出演しているが彼の良さが出てくるキャラクターではなかった。防衛軍の伝説的英雄ラッカムを演じているベン・キングズレーは、まさにうってつけの役のようにはまっている。主演のエンダーを演じるのは、ヒューゴの不思議な発明のエイサ・バターフィールドだし、エンダーの姉ヴァレンタインを演じているのは、リトル・ミス・サンシャインのアビゲイル・ブレスリン。

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