The Counselor 悪の法則 2013
監督: リドリー・スコット
出演: マイケル・ファスベンダー, ペネロペ・クルス, キャメロン・ディアス, ハビエル・バルデム, ブラッド・ピット
今回は邦題のネーミングは素晴らしい。まさに悪の法則だ。
最初のセックスシーンから最後の結末は想像がつかない。
見終わってなにかしっくりしない。どこもはっきりしていないのだ。どうしてだろう。特に、マイケル・ファスベンダー演じる弁護士がとんでもない事態に至った理由がわからない。彼が具体的に何をしたんだろう。それが映像として描かれていないのである。なにかもやもやする印象がする映画である。
この映画のみどころは、やっぱりキャメロン・ディアスの悪女ぶりである。今までの彼女のイメージとは違い、迫力のある深みのある女性を演じてる。
この話はどれもはっきりしたものがない。マフィアのボスが、弁護士に電話越しでしゃべっていた意味は何だろう。
"お前は岐路に立っている。お前はどちらかを選びたいだろうが、選ぶ道はない。ただ受け入れるしかないのだ。選択はずっと以前になされた。"
この話の大事なことは、はっきりした事実は必要ないのである。疑いがあれば、殺す。これがマフィアの掟なのである。弁護士がライナーと組んでいたこと事実は、マフィアからすれば黒なのである。ということが、この映画に対する僕の最終的な理解だ。
明らかになっているのは、キャメロン・ディアス演じるマルキナが、麻薬組織を相手取って麻薬を横取り作戦だということ。
弁護士がどこまで、計画に絡んでいたかわからない。ライナーの役割も不明。ライナーは、マルキナが使う武器、鋼鉄製のワイアーで人を殺す武器については語っていた。ウェストリーは最終的に金の送金システムを握っていたのだろうが。そして弁護士の婚約者のローラがどうなったかも。おそらく殺されて、その現場がスナッフフィルムになっているだろうし、ゴミ捨て場にすてられたようなんだが。
弁護士がライダーの殺人に絡んでいたか。やっぱりそうだろう。確かに彼を保釈しないと、彼が運び屋として働かない。彼を殺して奪う計画がうまく遂行できないということか。
マルキナは、飼っていたチーターと同様に生まれつきのハンターである。彼女のセックスに対する考え方も、犯罪に対する考え方も際立っている。
そして弁護士は生まれつきの悪人ではない。この中途半端さが、一線を踏み越えたことによる結果ということになるだろう。
リドリー・スコット監督は大好きな監督の一人だ。これまた難解な映画を作ったものだ。評価は分かれるだろう。しかし映像は、非常に素晴らしく、画面からにじみ出る緊張感が素晴らしい。最後の弁護士が貧民街をうろつくシーンも印象的だ。
ライナーの家にあったスティーヴ・マッキィーンのパネルはどうしてあるんだろう。あの映画は砲艦サンパブロである。
ロンドンでマルキナが飲んでいるシャンパンはエチケットは見えないが、ドンペリだろう。
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