監督: 岩井俊二
出演: 山口智子, 豊川悦司, 田口トモロヲ
岩井俊二監督の監督デビュー作品である。意欲的な作品である。
シーン毎の映像の細かな設定、美しさは素晴らしい。山口智子が非常に美しくとれている。
二人が暮らしている部屋もが何か空想的な空間であるのも、僕にはしっくりこない。映画の短さから言えば、最初のプロローグの亀もあまり途中からの展開に関係ない。ストーリーも散漫的すぎる感じがある。
強迫性緊縛症候群と言う設定も笑ってしまう。
萌実が、私を縛ってよ。もっとつよく縛ってよ。と夫の由起夫に言う言葉が妖しいのだが、山口智子の演技はすこし誇張されてリアル感がない。視線が観客に訴えてこない。なにか虚無的で切実感が少ない。確かに山口智子を美しく撮れてはいるが。ストーリーの結末も？？である。
山口智子が脱ぐわけはないが、この映画には本当に必要なのは強いエロティシズムだろう。妻が私を縛ってよ。もっとつよく縛ってよ。と言っているのに、セックスが絡んでこない。もう少し赤裸々な狂気、愛情があった方がよいのに。
岩井俊二のデビュー作品として好意的に捉えたいのだが、どうしても映像が優先された物足りない作品としか思えない。
My Rating(評価): 11/20
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