眠狂四郎無頼剣 1966

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監督:三隅研次、脚本:伊藤大輔、音楽:伊福部昭
出演:市川雷蔵、天知茂、藤村志保、工藤堅太郎、島田竜三、遠藤辰雄、他

今回は脚本がいつもの星川清司より伊藤大輔に変わった。そのせいで、かなり妖艶な雰囲気も、狂四郎のニヒルな部分が消えている。ただ、ストーリなどはしっかりとしていて眠狂四郎シリーズのなかでは大好きな映画の一つである。
お色気もどんどん減ってきているが、勝美役の藤村志保は安定した良さがある、藤村志保は第二作で出演したときより、大人になっている。僕には見覚えのある風貌である。
油問屋弥彦屋の次女の歌がすごくいい。
うしろのせ
うしろのせ おんさのせ
おんさかさかさか おさかでどん 
よつやでどん
よつや あかさか こうじまち

また愛染が歌う
ひとめふため 羽子突唄
ひとめふため みやこしよめご
いつやのむさし ななやのやつし ここのやとおうや

そして後半部の
亥の子石の歌を歌いながら平たく丸い石に繋いだ縄を引き、石を上下させて地面を搗くシーンが印象的である。
こうしたシーンが入るのも眠狂四郎のシリーズで大変珍しい。

白い着物姿の愛染天地茂)と黒い着物の眠狂四郎、ふたりとも円月殺法を使う。この対比が最後の屋根の上での対決に生きてい来る。バックは江戸の火事である。最後のの愛染と殺陣だが、今までの映画の眠狂四郎の殺陣に比べてかなり迫力がある。前回の映画でも再度円月殺法と円月殺法の戦いなんだが、相手は簡単に斬られてくれない。そこがいいね。
天地茂も大映の俳優だったんだ。この人もテレビの方で知っているんだが。
今回のストーリで、狂四郎と大塩格之助が似ていることはたびたび出ているんだが、それほど重要な要素になっていない。どちらでも良かったかと思ってしまう。

この映画は、いつもの狂四郎の妖艶さがないのだが、全体的な構成、昔ながらわらべ歌の挿入、そして劇的なもりあげかたなどかなりレベルが高い映画である。

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