蛇にピアス 2008 Snakes and Earings

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原作: 金原ひとみ
監督: 蜷川幸雄
出演: 吉高由里子, 高良健吾, ARATA, あびる優, ソニン

原作の小説蛇にピアスは、第130回芥川龍之介賞作品である。
痛みだけがリアルなら 痛みすら、私の一部になればいい。というキャッチコピーは確かに的を得ている。

ルイが舌にピアスを入れるシーンは見ているほうも痛く感じてしまう。本当に痛そうである。蛇のような舌(スプリット・タン)になるのを初めて知った。それに本物はあんなに動くんだろうか。やっぱり作り物だろう。

ルイの身体改造はどんどんとエスカレートするところもこうした感覚をもった女性がいるんだろうと思う。そして刺青を完成した所でまた喪失感が襲ってくる。最後にアマが死に、シバさんとのバイセクシュアルな関係、そしてシバさんがアマを殺したことを疑うようになる。それでもシバさんとの関係が続く。でもここにルイの痛さがあるのかもしれない。

主演のルイを演じている吉高由里子は果敢に大胆なセックスシーンを演じている。
アマの高良健吾も実際にいる若者らしいし、シバさんを演じているARATAのリアリティ感がいい。

キャッチコピーにあるように、今の若者に、リアリティーという実感がわもてないことが悲しい。自分が感じる痛みこそがリアリティーとは。刺青もピアスも格好いいだけでなく、それには痛みを伴うもの。これをするには勇気もいるが自分が好んでその痛みを欲している。そうした若者たちを描いている。
必死で生きることの大切さは、どこで感じることが出来るのか。でもアル意味で彼らも必死で生きている。だからこそ自分に痛みを求めている。デカダンスと言う言葉はもう古い言葉ではあるがこの映画はその路線である。デカダンスを現代風に描くとこうなると言う感じである。こうした世界は刺激的ではあるがそれほど新鮮さは感じない。いつも繰り返される世界である。

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