源氏物語 千年の謎 2011

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監督: 鶴橋康夫
出演: 生田斗真, 中谷美紀, 窪塚洋介, 東山紀之

源氏物語そのものではなく、高山由紀子の小説源氏物語 悲しみの皇子(文庫版では源氏物語 千年の謎)の映画化作品である。
源氏物語をこんな風な解釈で、もう一度物語を作ってしまうのが面白い。
確かに紫式部は、謎の人物だろう。
この物語は、紫式部が藤原道長と男女の関係があり、藤原道長をイメージして光源氏を書き上げた仮定で物語が進んで行く。そして紫式部が書いた光源氏の話も同時進行していく。
実際に史実によると紫式部は、藤原為時の娘で、藤原宣孝に嫁ぎ、一女を産んでいる。夫の死後、召し出されて一条天皇の中宮・藤原彰子に女房兼家庭教師役として仕えている間に、源氏物語を記した。『尊卑分脈』において紫式部が藤原道長の妾であるとの記述があることは古くから知られていた。

映画全体の完成度は高いし、平安時代の雰囲気がしっかり映像として作り上げられている。やはり原作がいいのか、ストーリーの流れがよく飽きずに最後まで見れる。難を言えば、窪塚洋介が演じている安倍晴明があまり重要な役ではないような気がする。確かに紫式部と六条御息所の気持ちが交錯する所は面白いのだが、そこに安倍晴明が関わらなくても良いように思える。

六条御息所役の田中麗奈が怖い怨霊をうまく演じている。葵の上役の多部未華子は、なんか下膨れのような顔になっていて、もっと可愛いんだけど残念と思いながら見ていた。藤原道長役の東山紀之は、年をとってもやはり美男子。光源氏役の生田斗真をよりカッコいい。藤壺中宮、桐壺更衣と二役を演じている真木よう子も改めて美人んだなと思った。
紫式部 を演じている中谷美紀は、他の演技者よりもやや抑えた演技でもう少し生き生きとした紫式部の方が良かったのだが。これは小説の中の紫式部のイメージだから仕方がないのだろうが、もっと恋多き、現代的、行動的で、才能にあふれた女性だと思っていたから残念である。

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