The confession John Grisham 告白 ジョン・グリシャム

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原作:ジョン・グリシャム
2010年に書かれた小説。まだ日本語訳がないんだろうか?探しても見つからない。
Audio Bookを流しながらKindleで英語の本を読んだ。

この小説は、二つの告白で始まる。
ボワイエットは、牧師キースに"実は自分が9年前に殺人を犯した。誘拐して,レイプして殺した。しかし今無実の罪の人間が死刑になろうとしている。"と告白する。
また死刑を目前にしたダンテは、逮捕された時に警察官からうその自白を強要され、自分が殺人を犯したと告白したところをビデオに収められた。その後死刑判決がくだされた。

ヒッチコックの私は告白する(I confess)と言う映画では、殺人者が牧師に自分の罪を告白するが、牧師の守秘義務によりそれを人に明かすことができないサスペンス映画であった。この小説はそれに、嘘の告白を強要された黒人少年も更に絡めた作品である。

ボワイエットは、その後何度も自分が殺人を犯したと何度も告白するし、ダンテも何度も自分は殺していないと何度も告白するが、政府、テキサスの州政府と法律機関は何も聞こうとしない。
ジョン・グリシャムは、以前the chamber/処刑室で死刑囚について書いている。今回は、無実の罪で死刑判決を受けた人間をテーマにしている。
牧師と連続暴行魔、そして高校のフットボール選手だったダンテとその弁護士。おのおの関係が運命の糸でしだいに絡んで行く。素晴らし小説のプロットである。
最終的にボワイエットが、どうしてニコルの殺人について告白したかったのかわからなかった。
この小説の展開は、今までのジョン・グリシャムの書き方と違って最後の展開にしまりがない。彼が社会派になったところもあるが、ただやっぱりアメリカ人らしいハッピーエンドについてもこまごまと書かれている。確かにその後の話も必要なんだがもっと軽快感と爽快感が欲しかった。

ジョン・グリシャムのページ  
ジョン・グリシャムのサイト http://www.jgrisham.com

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