アカデミー賞 作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、脚本賞、ドラマ、コメディ音楽賞、編集賞、名誉賞
監督: ウィリアム・ワイラー
出演: フレデリック・マーチ, ダナ・アンドリューズ, ハロルド・ラッセル, テレサ・ライト, ヴァージニア・メイヨ
この映画は、アメリカの戦後を描いた映画。第二次世界大戦が終わ帰還する３人が、同じブーンの町に帰る為に軍用輸送機B17に乗り合わせる。それぞれ３人の帰還兵の問題点がよく描かれている作品。戦後のアメリカの問題点を浮き彫りにしておりアカデミー賞を数多く受賞した作品である。
アルが土産として持ち帰った日本刀と国旗を息子に渡す所は印象的である。ただ息子のロブは、もう進んだ教育を受けていて戦利品を喜んでもらうような感じではない。また原爆投下の広島の悲惨さがどうであったかを尋ねるのだが、アルはそれに対して十分な答えを持っていない。アルと家族の中には溝がありそれを埋めるには時間が必要だった。銀行に戻ったアルが、帰還兵に対して担保もなく融資する。彼の帰還兵に対する気持ちを、他の同僚はわかってくれない。
戦争中に結婚したフレッドは、帰ってみると妻とうまく行かないことに気づく。今では兵隊ではなく職も安定しないフレッドと、豪華な生活を夢見たマーリーとの間にはもう修復できない溝が出来ていた。
ホーマーは戦争で両腕を失っている。恋人のウィルマが変わらぬ愛を訴えるが自分の身体のことを考えると誰もが自分を哀れんでいるようにしか思えない。
ホーマーを演じたハロルド・ラッセルは、軍隊の訓練映画の中からワイラーが見いだした。ハロルド・ラッセルは、この映画で二つのアカデミー賞を獲得している。栄誉賞は、彼の出演が総ての帰還兵の希望と勇気を与えるとのことで与えられた。
戦争に勝ったアメリカでも、みんな、だれもが戦争で傷ついているのである。それを理解させてくれる映画でもある。また飛行機の墓場とも言える風景は、第二次世界大戦がもたらした、不幸な遺産とも言える。
テレサ・ライトは、疑惑の影で叔父さんが大好きな娘を演じていたのが印象。ダナ・アンドリューズは、よく戦争映画に出ていた印象がある。
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