しあわせのパン 2012

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監督、脚本: 三島有紀子
出演: 原田知世, 大泉洋, 森カンナ, 平岡祐太

メルヘンのように物語は仕上がっていて、見るものの心を和ませてくれるストーリである。やや露出を強くして、ソフトフォーカスで全体の映画の雰囲気が作り上げている。月とマーニの童話と関連して映画が童話的になるように意図されている。最初のプロローグのパンを作っている所がいい。仕上がったカンパーニャのパンが美しく、本当に美味しそうである。
北海道の月浦は洞爺湖の近くにあって、景色がすばらしく、そこにパンカフェ兼ペンションをしている。月とマーニの絵本が好きだったりえさんが、水縞君と結婚してパンカフェ兼ペンションを北海道の月浦に開く。そこは、洞爺湖の近くにあり景色がすばらしくよい。夜には月もよく見える場所である。
夫婦なのにりえさん、水縞君と呼び合う微妙な距離感が面白い。
3組のマーニに訪れたお客が柱になった映画でもある。
夏の客のカオリとトキオ、カオリの誕生パーティにクグロフがでてくる。秋の客母が去った少女未久とパパ、カボチャのポタージュを食べて未久がお母さんのと違うねとつぶやく。冬の客 地震で子供を亡くした老夫婦 ポトフが美味しそうである。
他にも山高帽の阿部さん、地獄耳の硝子作家ヨーコさんなど個性豊かなご近所さんがいる。
クグロフはフランスのアルザス地方で作られいるパン、ドイツ、オーストリアなどでも作られている。アルザスでは日曜日に焼くパン。オーストリアでクリスマスに。
ワインがたくさん出てくる。おそらくは北海道のワインだろう。しかし見た目はあまり美味しそうでない。

原田知世,は静かでやさしい感じの女性を演じるときがいい。大泉洋の演技もいいんだがすこしわざとらしいというか硬い演技と感じてしまう。
いろいろな美しい月を見せてくれる。最後に冬の夜空に満月が美しい。ただいつも見る位置が同じなのは、本当はないんだけど。観察好きの羊のゾーヴァは、よく出てくるのであるが、あまり重要な役割をしていないのが残念。映画の最後に流れる曲もいい矢野顕子と忌野清志郎のデュエットの曲ひとつだけはいい曲だ。

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