Quo Vadis 1951 クォ・ヴァディス

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原作: ヘンリク・シェンキェヴィチ
監督: マーヴィン・ルロイ
出演: ロバート・テイラー、デボラ・カー、ピーター・ユスティノフ、レオ・ゲン

キリスト教に関連するローマ時代の物語は、ローマ軍人でキリスト教信者ではないが、後に信者となる主人公。キリスト教信者の恋人。そして奇跡の三要素がある。
だいたいこの要素があれば、時代背景などから容易に物語を作るのは簡単である。
この原作がその代表作でオリジナルなのかもしれない。

1896年にはポーランドのノーベル賞作家ヘンリック・シェンキエヴィチがローマにおけるキリスト教迫害を描いた小説が原作。ローマ時代の暴君で有名なネロと、ローマ軍人マルクス・ウィニキウスとキリスト教徒の娘リギアの話である。他のローマを描いた作品に比べるとスペクタル度は落ちる。ただ1951年という当時のことを考えるとそれでもすごいのかもしれない。
この映画のすばらしい所は、やはり原作から来ているのだろうが、ただの殺戮で終わらず一つ一つの物語に愛がある。皇帝のネロの最後もそうだし、ガイウス・ペトロニウスの最後も愛の物語である。
クォ・ヴァディスとはラテン語で(あなたは)どこに行くのか?という意味。アッピア街道を歩いていたペトロは、キリストの光を見る。そしてキリストに尋ねる。あなたはどこに行かれるのか。私はローマに行って2度目の十字架にかかると答える。ペトロは、その言葉を聞いて、ローマに引き返し捕らえられて逆さに十字架に架けられる。ペトロの持っていた杖はその道に倒れずに立ち続けていた。
ピーター・ユスティノフの皇帝ネロの演技が素晴らしい。この映画をみてから皇帝ネロはこのイメージから離れられない。リギア を演じるデボラ・カーは、本当に美しい。こんなに奇麗だったけと思うくらい。印象に残っていた映画は、王様と私とめぐり逢いだからそれより5年くらい若い頃の映画だ。
この映画にはガイウス・ペトロニウスと一緒にセネカがでてくる。有名なストア派の哲学者である。実在の人物で実際に皇帝ネロの幼少期の家庭教師であった。

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