眠狂四郎殺法帖 1963

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監督:田中徳三、脚本:星川清司、音楽:小杉太一郎
出演:市川雷蔵、中村玉緒、城健三朗、小林勝彦、真城千都世

この映画は、当然テレビで何回か見ているんだが、これが第一作とは知らなかった。というより映画の題名と内容が自分の中では合っていない。最初から伊賀忍者との戦い、少林寺拳法との戦いが出てくる。最初からやや普通の侍映画とは一線を画していた。眠狂四郎の円月殺法における名台詞、俺の剣が完全に円を描き終わるまでにお前は死ぬ。と言う台詞が最初から出てくる。それにも感激してしまった。

この映画は、柴田錬三郎の原作に沿っていたためか、それほど眠狂四郎が魅力的でないと評価されてしまう。ただこれからシリーズになって行ったのは、最初から最後の眠狂四郎イメージがあったのではなくて手探りだったんじゃないだろうか。

敵役は勝新太郎ではなく若山富三郎であるところが面白い。この映画には、円月殺法を編み出した時のことが少し描かれている。そして13歳まで育ててくれた僧侶空念がいたのもわかった。中村玉緒が演じる女性は、前田藩主と遊女の間にできた娘。生い立ちを隠され育てられてきた不幸な女性に眠狂四郎は共感を感じる。1時間22分と短い映画である。ところどころ物語が飛んでいると思うところがある。制作時にかなりカットされたシーンが多いような気がするが。

ストーリー的にはすこしだらけている。演出も昔の映画なので、相手がどれくらい強いかを見せてから決闘に入る。少林寺拳法との戦いも同じでどちらかと言えば露出オーバーで面白みにかける。彼らの戦いは一回にしたほうが締まったと思う。前田候と五兵衛の関係もそれほど面白くない。眠狂四郎のストーリーのわからなさは、人間関係の簡潔さがなく敵味方が入り乱れている所だろう。この作品もそこが最大の欠点。

このDVDは、角川映画配給の眠狂四郎のセットで買ったもの。市川雷蔵の映画をよく見ているが、このDVDにも言えることだが、映像は問題なし。音響が問題。かなり雑音が入っている。この処理をしっかりしてもらいたいが。

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