眠狂四郎炎情剣 1965

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監督:三隅研次、脚本:星川清司、音楽:斎藤一郎
出演:市川雷蔵、中村玉緒、姿美千子、島田竜三、西村晃、中原早苗、他

眠狂四郎シリーズの第5作である。
第4作で池広一夫監督が使った、円月殺法のストロボ撮影による残像がのこるシーンは出てこない。監督によって料理の仕方が違うんだなと感じる。

今回は最初から最後まで中村玉緒である。中村玉緒の悪女ぶりがいい。西村晃は鳴海屋のようなちょっとした悪役がやっぱり似合う。後半でてくるかよを演じる姿美千子は、あまり汚れ役をやらないんだろうなと思ってしまう。

悪役は、檜垣ぬい、鳴海屋、藤堂藩江戸家老跡部将監である。それに鳥羽水軍末裔がからむ。実際のストーリは単純なのに、檜垣ぬいは、動き回って物語を複雑にしているだけだが、結局は道化的な要素でしかない。そこにこの物語の面白さを感じない。一人芝居みたいなものである。結局眠狂四郎のワンパターン(悪女を斬る、人情に厚く死んだ人間を大切にする。素朴な女性が好き、向かってくるやつは斬る、悪いやつは斬る)を出す為に、檜垣ぬいを道化のような役で物語をまわしただけである。見た後に何も残らず。残念なストーリだ。
前作に引き続いて最後に悪女を眠狂四郎が斬る。
京都東山の永観堂で撮られた菩提寺の法要の殺陣は確かに面白いんだが。

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