マイ・バック・ページ 2011 My back page

  • 投稿日:
  • 更新日:
  • by
  • カテゴリ:

原作;川本三郎 マイ・バック・ページ - ある60年代の物語
監督: 山下敦弘
出演: 妻夫木聡, 松山ケンイチ, 忽那汐里, 石橋杏奈

学生運動って一体なんだったんだろう。安田講堂の陥落は一体何を意味していたんだろう。そしてその後に起きた過激派の一連の事件は、あまり知らないのである。そんな答えがあるかと思ってみた映画。実際に事件に関わった川本三郎が書いた小説をもとに映画は作られている。

タイトルはボブ・ディランの楽曲マイ・バック・ページズから。
ピンキーとキラーズの恋の季節1969から映画は始まる。学生運動の華やかな時である。マスコミも思想派に擁護的で、流行の先端であるかのように追いかけていた。

松山ケンイチの演技が素晴らしい。彼であるのに本当に映画の役になりきっている。CCRの雨を見たかい聞き覚えがあるが、意外と松山ケンイチのギターがうまいのに驚いた。この事件を通して無意味に一人の命が消えた。いつも心に引っかかっていた思いが、昔の友人から、生きていさえすれば、幸せと言う言葉に、沢田が最後に流した涙は、自己への痛烈な反省である。

この映画は一つの日本の歴史のドキュメントであり深く感じるところがある。
沢田(妻夫木聡)の目を通してあの頃の思想運動を尊重するマスメディアの流れと若者も運動の中に自分の存在意義を求めていた流行のようなものを感じる。
運動の為の運動。セクトの為のセクト。何か現在の流行と同じように無意味なものが作り上げられていたのだろうか。一体彼らがした事で世の中に役に立った事はあったのだろうか。あの頃運動していた人たちはそろそろ停年を迎える年になっている。今の日本の沈滞感もどこか、あの頃を原点に発しているかもしれない。本当に世の中にとってよい学生運動ができていたら、もっとも世の中は変わっていたかもしれないと思うのは、学生運動後の世代だからだろうか。

ウィキペディアで探すと、この時の事件が簡単に書かれている。それを纏めると
朝霞自衛官殺害事件とは、1971年(昭和46年)に、陸上自衛隊朝霞駐屯地で歩哨中の自衛官が新左翼によって殺害されたテロ事件。
犯人グループが「赤衛軍」を自称したことから「赤衛軍事件」ともいう。朝日ジャーナルの記者川本三郎と週刊プレイボーイの記者がそれぞれ犯人を手助けしており、日本のマスメディアの信頼失墜にも繋がった。

ここまで書いてきて自分は少しはあの頃の時代を"総括"できただろうか??

My Rating(評価): 7/20
アクセス数:12