A good year プロヴァンスからの贈りもの 2006

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監督: リドリー・スコット
脚本;マーク・クライン
出演: ラッセル・クロウ、アルバート・フィニー、マリオン・コティヤール、フレディ・ハイモア

フランス南部プロヴァンスにぶどう農園を所有しているリドリー・スコット監督が、「ブティック・ワイン」(メジャーな市場では全く無名であるにも関わらず、その高品質により高値で取引される希少生産ワイン)の噂話を30年来の友人である『南仏プロヴァンスの12か月』で有名な作家ピーター・メイルに持ちかけたところ、メイルがその話を元に小説を執筆し、スコットが映画化することとなった。

上質なウィットに富んだ楽しい映画。シーン展開のタイミングがよく、その間に入るフレンチの曲がいい味を利かせている。原作とは内容が変わっているらしいが脚本が良いんだろう。脚本家のマーク・クラインは今後の活動を注目していなくては。

主人公マックスは、時に汚い手をつかっても勝つことにこだわる性格の持ち主。長じて、ロンドンの有名な株のトレーダーとして成功している。逆に彼のおじは、プロバンスでワイン作りをしながら人生を多いに楽しんでいる。
このおじが少年時代の主人公に諭すところが(アルバート・フィニー)この映画の鍵でもある。Thanks million, Max millionというおじの口癖も映画の鍵になる。
イギリスのモダンであくせくした生活と、フランスのプロバンスの人々が人生を楽しみながらゆったりと時間が過ぎていく生活の対比がよい。僕ならすぐにフランスの生活を選ぶだろう。
この映画にはワインの話がふんだんに盛り込まれている。

題名のA Good Yearはワイン作りにおける当たり年の意味。葡萄の作柄がよく良いワインが出来た年である。
イギリスの有名なレストランで主人公の不動産会社の友人チャーリーがボルドーグラスに注がれたワインをブラインドテイストしてボルドー答えると、ブルゴーニュですとサービスの女性が話すのもなんとも皮肉が効いている。
プロバンスの有名なバンドールワインを飲むシーン。 
少年時代の主人公ががワインを薄めて飲むシーン。フランスの古い家庭ではいつも行われていたらしい。
そしてちょっと怪しいヴィニュロン(葡萄を育ててワインを作る人)、ガレージワイン、ブティックワイン(少量生産のため人気がでるとすごい価格に跳ね上がるワイン)、ワインの畑の小さな小石がいっぱいある畑。
撮影場所は、プロヴァンス地方のリュブロンにあるシャトー・ラ・カノルグChateau la Canorgueである。
映画のエンディングのシーンでは除梗か非除梗かの議論まで。

他に小粋なのは、スマート フォーツー カブリオレ(メルセデス・ベンツが作ったマイクロコンパクトカー)、サイクリストたちにツールドフランスのアメリカの優勝者の名前を叫ぶところ等、イギリス人とフランス人の気質の違いも笑わせてくれる。

ル・コワン・ペルデュは、映画で出てくるガレージワインであるが、意味は失われた片隅。このエチケットデザインで今では、シャトー・ラ・カノルグがワインを売っているのには、はは、フランス人らしいと笑わないではいられない。

マリオン・コティヤール
注目映画にはいつもでているマリオン・コティヤール。いつもは個性が強い女性の役が多いので好きになれないのだが、この映画に出てくる女性役が一番好きかな。
エディット・ピアフでアカデミー主演女優賞をとった。
La Vie En Rose(2007), La Môme- エディット・ピアフの生涯
http://multimedinfo.sakura.ne.jp/ts_winebar/dreaming_on_clouds/2010/11/la-vie-en-rose2007-la-mome-.html
他にもTAXi、Big Fish、Public Enemies、Nine、Inceptionにも出演している。
そして映画に挿入されているフランスの曲のなかでもこれがおしゃれ。its bitsy petit bikini

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