Hannibal Rising 2007 ハンニバル・ライジング

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監督: ピーター・ウェーバー
出演: ギャスパー・ウリエル コン・リー リス・エヴァンス

この映画の評価があまりに悪いので、でも羊たちの沈黙が好きだから、半分期待しないで見た。
1944年のリトアニア。貴族の家に生まれたハンニバルは、戦争に巻き込まれ、ドイツとソ連の兵士たちから家を追われ、最後に両親を殺されてしまう。残ったハンニバルと妹のミーシャは山小屋で生活をしていたが、リトアニアの逃亡兵士がやってきて山小屋に住み着く。厳しい冬の中で食料がなくなり、逃亡兵士は食料を探すのだが。
ハンニバル・レクターの生い立ちがメインテーマ。レクターのヒューマニズムが描かれているのだから驚き。作者トーマス・ハリスの、レクターへの愛情を感じてしまうほどである。そのため、あの残忍性に切れが全くないのである。そしてこの生い立ちや描きかただけでは、とてもあのような殺人鬼を生むことはできないと思ってしまう。恐ろしい体験をしたことが、あの残忍な殺人鬼を生むような説明の仕方だが、その心の葛藤の描き方が不十分と思う。また映画の演出としては、レクターの残忍さも新しさがなく怖くないのである。日本人のおば(コン・リー)が出て来て剣道を教え、敵討ちになるところはあまりにありきたりで殺人鬼にはふさわしくない。ただ映画のできとして、羊たちの沈黙と比べなければ、ちゃんとしたできじゃないかと思ってしまう。

ミーシャがどうなったかキィである。なぜハンニバルがうなされているか。ポイントはそこである。彼はリトアニアがソ連によって侵略されて、自分の屋敷が孤児院に使われていたが、そこから逃げ出し叔母のもとにいく。そこはフランスである。フランスで医学部に入って、死体の解剖に熟知する。
ハンニバルが今回殺人を犯す理由のほとんどは、妹を殺されたことに対する復讐である。確かに彼がなぜ人肉を食べ始めたかは少しわかるのだが。ここでも誰を許すのかが一つのテーマでもあるのだが、自分が一番許せないのだろう。彼は、知らずに妹ミーシャの肉が入ったスープを食べたのだろうか?彼が夢でうなされるのは、そこではない。彼は飢えのため、ミーシャの肉が入っているのを知りながら食べたのである。そこには到底人として許されない罪があるのである。

なんだか戦争犯罪に対する映画のようにも見えるが。
羊たちの沈黙にでてくる顔のマスクは、当然噛み付かないようにするためのものだが、今回の日本の兜に使われている面に似ている。

レディ・ムラサキはその後どうなったのだろう?そしてこのストーリーでは、ハンニバルシーズン3のチヨはでてこない。昔のハンニバルの屋敷に囚われているものは誰なのか?このストーリーではみんな殺されているはずだが。

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レッド・ドラゴン、ハンニバル、羊たちの沈黙

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