雪国 1965

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雪国雪国 1965

監督: 大庭秀雄
出演: 岩下志麻, 木村功, 加賀まりこ, 沢村貞子, 万代峯子

昔に見た映画である。ただなぜこの雪国がこれほど評価が高い作品なのか全くわからなかった。後で、掌の小説などの川端康成の作品が好きになっても、この雪国は好きになれなかった。
小さな温泉町にきて芸者遊びをしようと考えていた。そこに芸者にはなっていない女が現れ、女と島村はお互いに惹かれいく。そして葉子と言う存在は、また幻のようなものである。

しかし僕には、島村という得体のしれない男が(おそらく小説家なのだろうが)、芸者遊びをする映画にしか見れないのである。
駒子と葉子の関係もわからず、駅での行男の様子がおかしいという葉子の呼びかけや、最後の場面の火事のシーンも突然であり、意味がわからないのである。
小説を読んで見て、最後の上映会場になっていた繭倉が燃えるシーンでは葉子が子供たちを助けだしたり、最後に目が火でやられてしまったことが描かれているがここは小説ではない。ただ葉子が火事のどうしていたのかはこちらの方がわかりやすい。縮を雪でさらしたり、織っている場面が映画ではよく出てくるのだが、小説では、一度書かれているきりであるし、実際には織っている場面も晒している場所にも島村はたどりつけていない。

さて、再度見た感じはやはり最初に見た時と印象はそれほど変わらないのだが、駒子のいじらしさは確かにわかる。それに葉子の幻のような美しさもわかる。ただ彼らの運命性は何か抽象的でわからない。
この小説が人気だったのは、戦中国外でこの小説を読んだものが望郷の情を引き起こす小説だったということだが。温泉宿、芸者、芸者遊びが良かったのだろうか。今の日本にはない風景であるし、風俗である。

それにしてもやっぱり岩下志麻には駒子の純粋で素朴な美しさが出ているようには思えない。

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