総天然色 ウルトラQ 1966

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総天然色 ウルトラQ

総天然色 ウルトラQ 1966
監修: 円谷英二
出演: 佐原健二, 西條康彦, 桜井浩子,

子供の頃に見たウルトラQである。もう50年以上過ぎている。ウルトラマンよりもこちらの方の衝撃が強かった。今回はネットフリックスで見始めた。カラーで見るのは初めてかも。感激である。このカラー化は2011にデジタル処理によって着色されている。
プロローグのぐるぐる回ってウルトラQになるのもいい。でもカタカナだったねと少し子供の頃のイメージの膨らみ方のギャップも感じる。あのおどろおどろしい音楽も本当に懐かしい。そしてなつかしい石坂浩二のナレーターである。
アメリカのテレビドラマ、アウター・リミッツ1963年)やトワイライトゾーン(1959年)を意識して作られた怪奇現象中心のドラマであった。

最後の説明にアンバランスゾーンという言葉が特に最初の話ではよく出てくる。本当はアメリカのトワイライトゾーンからタイトルをアンバランスにしたかったようだが、オリピックのウルトラCから、ウルトラQに変わったのだった。当時は子供としては、アンバランスなどと言う言葉は意味不明で印象に残っていない。

よく見ると怪獣が出てくる回数が本当に多い。これは知らなかった。やっぱり特撮がすごいし、怪獣の鳴き声も、SOS富士山の岩石怪獣ゴルゴス時からウルトラマンの怪獣の鳴き声になっている。そうだったのかと感慨深い。


万城目 淳
星川航空のパイロットだが、SF作家を自称し、いつも宇宙旅行の夢ばかり追い続けている。ヘリコプター、セスナ、ジープ、オープンカーを乗り回して本当にかっこいい。ただ正体は不明で、どうしてあれだけ政府関係などに首が突っ込めるか不明だ。

戸川 一平
星川航空のパイロット助手。チャラい助手であるが、このキャラがまたいい。

江戸川 由利子
毎日新報の女性カメラマン。かつ記者でもある。
カメラはミノルタ。
モデルは、スーパーマンのロイス・レーンだろうか。

当時、僕はこの桜井浩子演じる江戸川由利子は女性的な魅力は感じなかった。憧れの女性にはならなかったが、面白いキャラだった。言うならば、当時珍しいチャキチャキのカメラマンである。スーパーマンに登場するロイス・レーンみたいなんだが、何か色気がないし勝気すぎてダメだった。桜井浩子に魅力を感じなかったのかも。やっぱりウルトラセブンの菱見百合子演じるアンヌ隊員が一番だった。

一の谷博士
一の谷研究所の所長。この博士のヒゲが良かった。

My Rating(評価): 19/20
アクセス数:9

第1話 ゴメスを倒せ! 古代怪獣ゴメス/原始怪鳥リトラ
脚本:千束北男 監督:円谷 一 特技監督:小泉 一
この記念碑的なウルトラQの第1話である。僕はこれが大好きだった。何度も見たかったのだが、再放送でこの話を見逃すと本当に残念な気持ちになった。

弾丸道路の工事中に発見された巨大な洞窟。ゴメスは、リトラの卵を探していたが、そこを穴を掘っていたトラクターに邪魔された。ゴメスがすぐに現れるのだが、このゴメスの出し方が素晴らしい。東映、大映の怪獣映画の最初と同じである。いいねー。さすが円谷英二である。

最初に登場するメガネの少年次郎が素晴らしい。このキャラを続けても受けたはずなのにと思う。二人の博士が首をひねる中、メガネの少年、次郎がいろんなアイデアを出す。
ゴメスは、ゴジラにツノをつけて、尾は二股に分かれて、体に大きな鱗と、背中に甲羅のようなものをつけている。
リトラリア 原始怪鳥リトラは、おそらく不死鳥がモデルだろう。尾が孔雀の羽のようである。モデルとしては映像的にはあまり出来がいいとは言えない。くちばしから、シトロネラアシッドの溶解液を出す。
金峰山にある古文書がまたいい、なるほどそんな古い記述があるんだと当時は納得した。次郎の説明はあまり正確ではないが、リトラは、リトラリアと言って、鳥類と爬虫類の中間生物で、ヒトノレダーアシッド(おそらく強力な酸)をくちばしからだす。あの大きなのはさなぎ??卵だろう。爬虫類も鳥類もさなぎにならないし。
ゴメス、ゴメテウスは哺乳類、肉食の凶暴なやつ。冬眠していたにしては長いすぎるが。ツッコミどころは、今考えると満載である。


第2話「五郎とゴロー」/ 巨猿ゴロー
脚本:金城哲夫 監督:円谷 一 特技監督:有川貞昌

この話はキングコングのネタが使われている。
旧日本軍が使っていた体を強くする薬が、伊豆猿の研究所に保管されていたが。
サルのゴローがそれを全部食べて巨大化してしまう。研究所の手伝いの五郎は、巨大化したサル、ゴローの面倒を見ていたが、次第に食べ物を人間から奪うようになる。
最後は、眠らしたゴローを、南海の島に送る。そこには同じように、旧日本軍の薬で巨大化したらしいサルがいた。

キングコングは当時は知らなかったかもしれない。子供ながらに思ったのは、こんなに多くする薬があること。ロープウェイに乗るとサルが襲ってくるかもしれないと怖くなった。

第3話「宇宙からの贈りもの」/火星怪獣ナメゴン
脚本:金城哲夫 監督:円谷 一 特技監督:川上景司

火星怪獣ナメゴンは、ナメクジの怪物みたいなものだ。
火星に探査機を送ったが、何者かによって送り返されてきた。その中に二つの金色の球体が入っていた。大事に保管されていたが、泥棒が金と一緒に盗み出す。泥棒たちは、万城目を脅し、南の島に飛ぶ。しかし温泉が噴き出す洞窟で金を分けていたら、金の玉の一つが間違って熱湯に落ち、金の玉が巨大化し、そこからナメゴンが出現する。泥棒たちは体を硬直させて死んでいた。万城目たちは洞窟でナメゴンを発見し、逃げる。逃げる途中にナメゴンは海に落ちて解けてしまった。もう一つの金の玉は、星川航空の事務所で一平が拾いペンダントにして江戸川由利子にプレゼントしていた。一の谷研究所で今回のナメゴンについて、火星から送り込まれた怪物だろうと話をしていた時に、由利子がコーヒーを沸かしている時に、ペンダントが熱せられて、金の玉が巨大化する。それを一の谷研究所の庭に投げる。そしてナメゴンが出現する。

ナメゴンが火星探査機によって地球に送り込まれる話は俊逸である。ナメクジのお化けだが、なかなか迫力があった。ただ国家的に大切であった金の球体が、強盗に盗まれる、それもお金の入った金庫に入れてあるのは??


第4話「マンモスフラワー」/古代植物ジュラン
脚本:金城哲夫/梶田興治 監督:梶田興治 特技監督:川上景司

東京駅の近くの丸の内のビルで地震が起きた。警ら中の警官が地面が盛り上がるのを目撃し、そして崩れた壁の破片が警官に降ってきた。
万城目と一平は宣伝ビラを取りに、出版会社に行ったがそのビルでは地震が起きて引越しの最中であった。そこでお堀に何か得体のしれないものが浮かんでいることを聞いて、江戸川由利子を連れてお堀に行く。そこでは大きな植物の根が動き回っていた。一の谷博士から、それは古代の植物ではないか。モンモスのように凍ったままで発見されるように植物の種が最近の地殻変動で地面近くに現れて大きくなったのではないかと説明する。出版社のビルでは、マンモスフラワーが人々を襲い、トゲから血を吸っていた。そしてビルの天井を破り、大きな花を咲かせた。花からばらまかれた花粉には毒が含まれていた。万城目は、博士たちから植物を枯らす液体をもらい、セスナでマンモスフラワーの上から液体を撒いて枯らす。

自衛隊の二人が一度花粉にやられるのだが。どうしてかすぐに回復して一平たちを救う。その展開は不思議なのだが。

第5話「ペギラが来た!」/ 冷凍怪獣ペギラ
脚本:山田正弘 監督:野長瀬三摩地 特技監督:川上景司

ペギラの登場である。こいつはまたまたすごかった。雪上車を飛ばし、黒い煙とともにすごい早さで飛ぶし。南極で生き延びた犬が食べていた苔の成分に弱点があった。それがペギミンHだ。ペギラは、アザラシをモデルにした怪物だ。

なぜか得体の知れないサングラスの怪人が船に乗っている。誰かと思えば万城目である。突然南極に向かっているところがすごい。そして南極の観測基地に参加してペギラに遭遇する。ペギラにあれだけ飛ばされて生きているのがすごい。3年前に失踪した隊員の彼女の久原隊員が可愛かった。田村奈巳が演じていた。

それにしても物知り顔のいらつく隊員がいて、いつも万城目の提案に反対していた。声がすごくよくてどこかで聞いた声なんだが思い出せない。それにしても観測ミサイルをペギラに打つんだからそこもすごい。


第6話「育てよ!カメ」/ 大ガメ ガメロン、怪竜、乙姫
脚本:山田正弘 監督:中川晴之助 特技監督:小泉 一

授業そっちのけでカメの飼育に夢中の太郎少年。夢は大きく育ったカメに竜宮城へ連れて行ってもらうことだ。ところがある日、強盗事件を起こしたギャングが、彼のカメを連れて逃げてしまう!

授業そっちのけでカメの飼育に夢中の太郎少年。なんで嘘ばかりついている設定になっているのだが、そんなに嘘はついていなかったかも。どちらかといえば誇大妄想癖だった。
なぜか、この話もギャングが絡む。
突然亀が大きくなって、壁を通り抜けるし、空も飛ぶ。海に行ったら、ブランコに乗っている少女、乙姫様に出会う。シュールな物語である。
子供心にいったいどんな話なんだろうと、理解できたようなできていないような話だった。玉手箱はいったいなんだったのか?今見ても不思議。年をとったわけでもなく。

やっぱりこれは、亀なんだが、ガメラをパロっているだろう。甲羅からスピードメーターが出てくるのが面白いし、マッハか。やっぱり当時はマッハという言葉が流行っていた。


第7話「SOS富士山」/ 岩石怪獣ゴルゴス
脚本:金城哲夫/千束北男 監督:飯島敏宏 特技監督:的場 徹

樹海の野生児タケルはターザンをパロっているんだろう。ただ岩石怪獣ゴルゴスはユニークだった。心臓のような中心となる岩を破壊すると死ぬなんて面白い発想である。そして富士山の噴火。面白いこと間違いなし。
それと能天気な子供達のロケット遊び。

樹海の沼から、巨大な岩が飛び出すのもなんだか面白い。それにしても岩石怪獣ゴルゴスの鳴き声は、懐かしい、ウルトラマンシリーズの怪物たちの咆哮の音である。

一番良かったのは、野生児タケルではなく、自分の命をはってタケルを助ける横山巡査である。彼のキャラがおとぼけでありながら、熱血漢。いいキャラだった。