dreaming on clouds

残穢[ざんえ]―住んではいけない部屋― 2016

監督: 中村義洋
原作: 小野不由美
出演: 竹内結子, 橋本愛, 坂口健太郎, 滝藤賢一, 佐々木蔵之介

いつも恐怖映画はみないのだが、出演者が竹内結子, 橋本愛としっかりした出演陣なので見てみた。
怖い話を読者から集めて、短編小説にする小説家の私はある日、女子大生の久保さんから手紙をもらう。女子大生の久保さんは、新しく引っ越したアパートで妙な音を聞く。それは、畳を掃くような音だった。
次第にその音は、はっきりとしていき、着物の帯が畳で擦れているような音であり、誰かが首をつってゆらゆらと揺れている時に、着物の端が畳に擦れている音であることがわかった。

恐怖の連鎖である。不思議な噂の出所をたどっていくと、元は一緒だった。という話であるが、そこからまた進展して、穢れの原因はもっと過去にさかのぼる。そして土地が穢れているのか、血筋が穢れているのか、どちらもありそうである。

そうして最後には、最初の映画のエピソードにたどり着く。小説家の彼女が以前にもらった不思議な出来事で、以前に短編小説にした出来事であった。

観客をぞっとさせる驚きが何度もあるわけではないが、後で考えるとぞーーとするような、深い恐怖を感じる映画である。映画で感じた妙な音は、日常の生活の中に埋もれていたのだが、ふとあの音はと思ってしまうとゾッとするだろう。

やっぱり恐怖映画は好きではない。それにこの映画は終わっていない。続編がありそうである。まだ私が新しく引っ越した家で起こる不思議な現象は明らかにされていないし、久保さんが音から解放されていない。

竹内結子は、地味な小説家の役であるが味があていい。橋本愛も以前の暗めのおとなし目の役がらを、彼女らしさで演じている。

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