パパが遺した物語 Fathers and Daughters 2015

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パパが遺した物語 Fathers and Daughters 2015

監督: ガブリエレ・ムッチーノ
出演: ラッセル・クロウ, アマンダ・セイフライド, アーロン・ポール, ダイアン・クルーガー, クヮヴェンジャネ・ウォレス
心温まる映画である。父と娘の生活を背景に、現在、大人になったケイティの心の葛藤を描く。過去と現在が同時に進行していく。

なぜケイティは、人を愛せなくなったんだろう。これは映画を見ているものが疑問に思うのだが、それが映画の最後に、彼女の心の葛藤を乗り越えることと、彼女の身に起きたことがわかるようになっている展開である。

父ジェイクはケイティを心から愛して、彼女と一緒に暮らしていくことを決してあきらめなかった。そして父と娘という小説を書き上げて、ケイティが寝ている間に発作を起こして死んでしまう。
愛している人が突然去ってしまう怖さから逃げられないんだろうか。自分が愛してしまうと、その悲しさがまたやってきてしまうからだろうか。父が書き上げた娘と父の物語は、彼女に何を教えたのだろう。
この映画は、映画が自体が父と娘の物語と言っているのだが。

心理学を勉強してカウンセラーの仕事もするケイティだが、言葉を失ったルーシーとのふれあいは、自分と父のふれあいを思い出させるのだが。そしてキャメロンと暮らし始めて自分の心理的葛藤も乗り越えたと思えたのだが。

この映画に深い共感を得られないのはどうしてだろうか。
もう少しケイティの心理的葛藤の背景を描いて欲しかったが、自分が愛したと思っているキャメロンは、父の面影を追いかけているだけかもしれない。そして彼女が彼を愛していると言えたから、彼女の葛藤は消えたと思いないんだけど。心理的に深い描写のようで上っ面で終わってしまっている感じが否めない。

ラッセル・クロウの力を抜いた演技と、発作の時の表情がなかなか名演である。
アマンダ・セイフライドの熱演が素晴らしい。
監督のガブリエレ・ムッチーノは、イタリア人である。幸せのちから、7つの贈り物の監督である。父と娘のふれあいは、なんとなくライフ・イズ・ビューティフルを思い出すところもあるのはそのせいだろうか。

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