亜人考察 漫画

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亜人9

作画:桜井画門、原作者:三浦追儺、2巻より桜井画門だけになっている。現在のところ10巻まで読んだところでの考察である。

good!アフタヌーンに連載されている漫画である。劇場アニメ、テレビアニメ化されている。

永井圭は、ある日トラックに轢かれ一度は死亡してしまうが、生き返る。実は、圭は人ならざる存在・亜人であった。
不死身な亜人、そして、人体実験にされる亜人である。ところが亜人には人間にない能力は不死身だけでなく、黒い幽霊(IBM)を発現させることができることだった。

ストーリー設定
今回も最初の能力、亜人の設定が面白く、これの活かし方、亜人の秘密の謎解きが絡んでどんどん読み進んでしまう。もう一つは亜人の永井圭や佐藤がどちからといえば、アスペルガー症候群的な性格設定になっていることも面白さを加えている。
ただ永井圭の友人の海斗、中野攻などの設定のキャラクターがかぶっているし、友人との関係性が画一的で面白さがない。ここの友人関係を中心に描かれると面白さが半減するだろう。悪役のキャラも佐藤以外に取り分けて目立ったものがいなくて、これもこれからどう作っていくかが課題。戸崎優と下村泉もストーリー展開には欠かせない設定になっているが、これもまた永井圭と同じような性格の持ち主でキャラがかぶっているような印象を受ける。

この漫画のおもしろさは
当然永井圭と佐藤の攻防であるが、不死身の能力とIBM以外の頭脳戦が面白い。これから、IBMを使った頭脳戦の展開になるのは必須だろう。
もう一つは永井圭と佐藤の違いであろう。彼らのIBMが交わった時にお互いを理解する。しかし今まで冷徹で人を利用することを厭わない彼が、次第にヒューマニズムに目覚めていくのは、佐藤を知ったからからもしれない。これ以上の非人間的な人間は存在しないのだから。
永井圭は何度となく佐藤と戦って負けている。そしていつも新しい戦略を練っていく。ここが面白さでもある。
佐藤に共感した他の亜人達は、佐藤に最後までついていけるだろうか。田中が秘書の李を助けた頃から少しづつ、ほころびが見え始めている。
進撃に巨人にしてもこの亜人にしても、なんだかある種のゲームの世界に読者を誘っているようにも見える。そこでは現実の世界と違う設定があって、そこで生き抜くための知恵を巡らす。そして新しい技術やトリックが現れて、見ているものを驚かせる。それでもその世界のルールのの中にいるのが面白いのである。読んでいるうちに自然と読者も最終ステージに上がっていく展開なのである。

そして最後に人間達と亜人達は和解できるのだろうか。

設定

亜人 不死身である。叫び声を上げることにより、聞いた相手を一時的に金縛りのような状態にすることができる。黒い幽霊が使えるのは亜人の中でも別種である。どうやって死ぬんだっけ?首が切り取られると、自分が自分でなくなる?体がばらばらになって、体の粒子が飛び散ってしまうと修復不可能になると死ぬ?黒い幽霊 (Invisible Black Matter、略称IBMは、完全に透明で普通の人間には見えない。

永井圭
亜人の永井圭の性格の設定が面白い。個人主義、自分の利益にならないことはしない。しかし亜人になってから次第に変化が現れている。
幼馴染の人間海斗の存在が重要になってくるのだろう。永井圭が人間性に目覚めるのは、海斗の存在が大きいだろう。圭の妹の慧理子も冷静な目で兄の圭を冷たい人間と評価している。他人の自分に対する評価が木になる性格だと見抜いている。
IBMを多量に出せる。ただ、中村慎也とは違って(これは本当はわからないが)幼い頃から亜人の能力を持っていた。そのためIBMは永井の意志とは関係なく動く。そして意識がなくなっても存在する。これがきわまればフラッド現象を起こすことになる。

佐藤
ハンチング帽をかぶっている細い目の男、帽子とも呼ばれている。イギリス人の父と中国人の母であり、アメリカ海兵隊に所属していた。もともと非常に高い戦闘能力があり、黒い幽霊も非常に強い。そして人を殺すゲームがをするのが好き。永井圭の最大の敵である。そして死ぬことでリセットできることを最大の利点として生き残る術を知り尽くしている。

戸崎 優
厚生労働省の亜人担当の職員。意識不明で入院中の婚約者がいる。冷静に情勢を判断し、そのためには亜人も自分の部下に置く。婚約者の莫大な入院費と治療費を支払うためにどんな仕事もする。


亜の意味
亜人というのは、おそらく亜種の言葉から由来した造語だろう。亜とはつぎという意味である。古代の墓の部屋を上から見た形からできた文字で、先祖の霊を祭るのは次の世代であるのでつぎという意味がある。
種類を分類する上で同じ範疇には入るが別の種類と分けるために、亜流、亜目などがある。

10巻の内容は、佐藤との戦いの小休止というところ。大した展開はない。永井圭は母と連絡を取る。母からどうするかは自分で判断すべきと言われる。そして戸崎の恋人の死である。

亜人 テレビアニメ 第1-2クール 2015の記事はこちら

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