Child 44 チャイルド44 森に消えた子供たち 2015
製作:リドリー・スコット、マイケル・シェイファー、グレッグ・シャピロ
監督:ダニエル・エスピノーサ
脚本:リチャード・プライス
原作:トム・ロブ・スミス
撮影:オリヴァー・ウッド
出演: トム・ハーディ, ゲイリー・オールドマン, ナオミ・ラパス, ヴァンサン・カッセル, ジョエル・キナマン
スリルとサスペンスがいっぱい。スターリン政権下のソ連という深い霧に包まれた世界では、息がつまりそうな生き方しかできない。それを観客に訴えかけてくる映画である。それにしても、地味な映画であるがなかなかの出来である。
実際に存在したウクライナの猟奇的殺人者アンドレイ・チカチーロ（ロストフの殺し屋、赤い切り裂き魔）をモデルにして作られた映画である。ロシアにもこんな猟奇殺人者がいたんだ。ハンニバル・レクターも顔負けである。連続殺人犯人との戦いはそれほどではないが、逆に元同僚で国家保安省の捜査官達との戦いがすごい。第二次世界大戦の英雄なのに、こんな目にあわされるなんて。
妻がレオにつく嘘もすごいし、真実に迫ることにこれほど身が危険になるとは。最後にレオと妻のライーサと二人で必死に生き抜くところがすごい。何か暗黒の世界のなかでもがいているようである。どこに出口があるのかわからない。そこがすごい。
最後の展開もすごく納得がいく。レオの生き方に少しづつ観客が近づけるようになっていく。
トム・ハーディの抑えた演技がすごい。そしてワシーリー役のジョエル・キナマンがいい。彼は、スェーデンの男優でイージーモンキーで人気が出て、今ではアメリカで活躍している。アメリカ版のキリングでボーダー役をしている。これからどんどん活躍していくんだろう。
My Rating(評価): 16/20
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