The Fifth Estateフィフス・エステート:世界から狙われた男 2013

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The Fifth Estateフィフス・エステート:世界から狙われた男 2013

監督: ビル・コンドン
出演: ベネディクト・カンバーバッチ, ダニエル・ブリュール, ローラ・リニー, スタンリー・トゥッチ, アンソニー・マッキー

ウィキリークスの生みの親ジュリアン・アサンジについての映画。
ダニエル・ドムシャイト=ベルク著のウィキリークスの内幕と、デヴィッド・リーとルーク・ハーディング著のウィキリークス アサンジの戦争を原作にしている。
主演のベネディクト・カンバーバッチは、撮影前にジュリアン・アサンジ本人から本作への出演を考え直してほしいというメールをもらっていたことをガーディアンに明かしている。

ネット社会において、情報のコントロールか、情報の暴露かという問題だろう。情報をコントロールしたい体制からは疎ましく思われるのがWikiLeaksである。
この映画も情報がコントロールされている。原作がどちらもアンチジュリアン・アサンジだからだ。情報が漏えいしたことによる被害性を強く演出しているように見えてしまう。

映画が何の意図を持って作られたかを考えされてしまう映画だった。どこまで映画の情報が正しいかが本当に問題の映画である。展開は映画の常道をうまく使っていて最後まで見せてくれるがあれ、こんな展開に最初から決まっていたよねという最初の振りがあった。

映画のタイトルのThe Fifth Estateの意味は、the fourth estateの次に来る権力ということだろう。四権とは、行政・立法・司法・報道の四者の権力の総称である。特に、報道を三権になぞらえ第四権力という。この第4の権力の次が、第5の権力で、ネットワークで情報を提供するジャーナリストやブロガーが第5の権力と言っているのだろう。

それにしても日本ではこうした重大な出来事が、コメディアン主体のお茶の間テレビ番組に独占されていて情報が多くの人に伝わらない。いや、そうした社会情勢の問題に対する情報を、日本の大衆が欲していないのが現状である。とういうよりもこうした社会に作り上げられたと思った方がいいのかもしれないが。

ネットワークで、情報が必要な人だけが、取捨選択して自分の欲しい情報を得る方が正しい在り方なのかもしれない。
それにしても、ジュリアン・アサンジという人物もあまり知らなかったが、エドワード・スノーデンの問題についても日本では遠い世界の問題なのだろうか。そして日本では、特定秘密の保護に関する法律が2014年に制定された。

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