Der Himmel über Berlin Wings of Desire ベルリン・天使の詩 1987

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Der Himmel über Berlin Wings of Desire ベルリン・天使の詩 1987

監督: ヴィム・ヴェンダース
出演: ブルーノ・ガンツ, ソルヴェイグ・ドマルタン, オットー・ザンダー, クルト・ボウワ, ピーター・フォーク

最初にベルリンのイメージのような思う苦しい音楽で始まる。ダミエルは、ベルリンの街を静かに見つめる天使。勝利の女神(ヴィクトリア)像の肩に乗ってベルリンの街を見ている。しかし自分が天使であり続けるのに疑問を持つ。人の気持ちに寄り添ってばかりで、自分で自分の重さを感じたいと思い出した。
サーカスのブランコ乗りのマリオンに会位。彼女を愛したいと思うようになる。

確かに彼が天使のままでいるのは退屈だろうな。だってこの映画は見はじめてすぐに退屈になった自分がいる。はは。最初の長いベルリンの人々のつぶやきはこんなに長く必要だったのんだろうか。何が言いたいんだろう。僕にはどれも形而上学でしかなく、非常にリアルなシーンとともに物語は流れるのだが、この映画自体が幻のストーリーである。このつぶやきを書いているのはオーストリア出身のペーター・ハントケとヴィム・ヴェンダースだろう。
小川は川になれ
川には河になれ


子供は子供だったころ
いつも不思議だった 
なぜ僕は僕で
君でない
なぜ僕はここにいて
そこにいない

時の始まりはいつ?宇宙の果てはどこ?
この世で生きるのはただの夢?
見るもの 聞くもの 嗅ぐものは
この世の前の世の幻?
悪があるってほんと?

悪い人がいるってほんと?
いったいどんなだった
僕が僕になる前は?
僕が僕でなくなった後
僕はいったい何になる?

カラーの効果
急にマリオンがブランコに乗っている時にカラーになる。これはどんな効果だろうか。急にダミエルに今までとは違う色が見えたということだろうか。
マリオンの車の中でのシーンでもそうだ。ここの意味がわかるのには、その後ダミエルが人間になると全ての情景がカラーになることを知ってから遡るしかないだろう。
カラーは人間に見える映像のようだ。天使には白黒として見える。

橋のたもとで交通事故を起こしたバイクのライダーにダミエルが話しかけて、次第に事故にあった人間が独り言を言いはじめるのはなんだろう。このシーンの意味がわからない。確かに、人間が生きていた時に感じた情景を並べているのかもしれないが。
そこから勝利の女神像に座っているシーンに移るんだが。この映画のなかでも勝利の女神像の肩に乗った男の姿が印象的なのである。

観客の視線が、カメラのアングルがすごい。
登場人物と同じアイレベルのアングルからから、軽く人を見下ろすアングルにかわる。見ている人が天使になったような気持になる。

音楽の効果
暗い雰囲気の音がつづく、つぶやく言葉が映画を通して多いので、そのバックに音楽が流れたり、街の騒音が流れたりする。Nick Cave & The Bad SeedsのThe Carnyがバックで流れるのもその雰囲気を作っている。

フィリップ・マーローについてコメントがあって、ピーター・フォークがでてくるのが面白い。ただピーター・フォークが、ピーター・フォーク自身で出てくる意味がわからない。どうして帽子にこだわるんだろう。?ピーター・フォークが以前は天使だったという設定も不思議である。


まだベルリンの壁がある。ベルリンの壁は、1961年にドイツ民主共和国(東ドイツ)政府によって建設された西ベルリンを包囲する壁。1989年11月10日に破壊され、1990年10月3日に東西ドイツが再統一される。この映画が出来たのは、1987年だからベルリンの壁の崩壊の寸前である。

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