Roman Holiday ローマの休日 1953

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Roman Holiday ローマの休日 1953

監督: ウィリアム・ワイラー
脚本: ダルトン・トランボ(以前はイアン・マクレラン・ハンターだった)
出演: オードリー・ヘプバーン, グレゴリー・ペック, エディ・アルバート, テュリオ・カルミナティ, パオロ・カルソーニ

アカデミー主演女優賞、脚本賞、衣装デザイン賞

この映画はいつ見ても僕のNo.1映画である。
どうしてこんなにオードリーは可愛いんだろうか。どの仕草も全てが魅力的である。
ストーリーは確かに単純であるが。子供の頃にはそんなことは気にしなかったし、単純なので理解しやすかった。

今でも好きなのは、やっぱりこの映画のなかにあるロマッチックでありそしてコメディの部分だろう。誰もが、どのシーンでもうっとりできて笑えるような映画である。

そしてオードリー・ヘプバーンがこの作品で一番輝いているのは、彼女がスターを意識していない演技なのである。彼女の素の上品さ、美しさがスクリーンに永遠に保存されている。この作品でオスカーをとった彼女は、以降の映画でどこか背伸びをしているような感じがするのは僕だけだろうか。

映画では
最初プロローグのの有名な出演者のタイトルである。
Presentng でGregory Peck,
and introducing でAudrey Hepburn
である。

全く無名であった オードリー・ヘプバーンは、この最初のタイトルで名前が入っていなかった。しかしグレゴリー・ペックが彼女がこの映画で絶対にアカデミー賞をとるからオープニングタイトルに入れたほうが良いと主張した。そしてタイトルのなかでintroducingが付いているのが洒落ている。

そして、この映画は全てローマで撮影されたと誇らしげに出てくる。やっぱりこの映画をみるとローマに行きたくなるのは、実際にローマで札しているからだろう。通常当時のハリウッド、風景のスクリーンをバックにシーンをとることが多いんだがウィリアム・ワイラーはそうしなかった。予算が少なくなったから無名のオードリーを選んどとも言われている。他の候補は、エリザベス・テーラーやジーン・シモンズがいた。ジョー・ブラッドリーの役も最初はケーリー・グラントが候補だったが、物語の主人公は王女だから、もうくは年が取り過ぎているからということで断ったようだ。

彼女のすばらしい衣装を監修したのはイーデス・ヘッドである。彼女の衣装はジヴァンシーが有名であるが、この映画は当然違っていた。イーデス・ヘッドはこの映画でアカデミー賞を取っている。

ローマでの謁見のシーン、ワルツのシーン
当然王女をそばのお付きの人々の表情がすばらしい。
彼女の伏し目がちの表情がいいんだな。
音楽もいい。このワルツは何度聞いたか。

寝室のシーン 長い髪のオードリーがもいい。
スケージュールを聞くシーンで彼女のイライラした顔も素敵だ。
確かにあれだけ泣き叫んで、お付きの人が言うようにミルクをこぼさなかったのはすごい。鎮静剤をアン王女に医者が撃つと将軍が卒倒するのがまたいい。
その後に寝室の天井を見るんだが。これは後につながる。

この撮影はブランカッチョ宮殿で行われた。(一般公開されている)
王女が滞在した館、舞踏会、王女の寝室、バルコニーなどの抜け出すシーンで使われた。

三輪スクーター
アン王女から後部の荷台から夜の街を眺めるシーン、そこでベスパに乗っているカップルを見る。

ポーカーのシーン
ジョー・ブラッドベリーとアーヴィン・ラドヴィッチ

ベンチで寝ているシーン
アン王女とジョーが出会うシーン。この時もアン王女はなぜか詩を口ずさむんだが?誰の作品かはわかない。おそらくアパートでジョーと言い合う詩と同じなんだろう。

タクシーの運転手が行き先を聞くとColosseumと答えるんだが。アン王女のローマでの逗留先が、コロッシアムだったのか?

詩は、
if I were dead and buried and I heard your voice beneath the sod my heart of dust would still rejoice
is a return to sweetness and decency in the soul fo its young men and

ジョーのアパートメントのシーン
まずは階段を上るシーンも面白いんだが。
ジョーが仕方なくアン王女を泊めるのだが。ここはエレベーターかと尋ねる。
彼が飲んでいるのは、ワインだが。ボルドーか?バローロかな。

ここの撮影はマルグッタ51番 ジョーのアパート。51A。芸術家が多く住んでいた

彼女の好きな詩らしい。もしかすると酔っ払うと詩を暗唱するのかも。前回のシーンの続きで良さそうだが。ジョーがすでに詩を暗唱したよとはなしているから同じ詩なんだろう。誰の詩かという口論では、アン王女がキーツと言ってジョーがシェリーと言っているが、ジョーが正しい。

ベッドを移し替えるところでは、ジョーがベッドのシーツを使ってアン王女を隣のベッドに移しているのだが、その前に一度カットされいている。このシーンはなかなかうまくいかなかったんだろう。ジョーは、その後にスクリューボールと言っているから、シュート回転して落ちるボールのことだろうから、彼女の回転を指しているのだろう。

新聞社でのシーン
ジョーが寝坊して、アン王女のインタビューに行ったと嘘をつく。
そして、新聞のアン王女の写真を見て、昨晩泊めた女性がアン王女だと気がつく。

再度ジョーのアパートメントのシーン
アパートの管理ジバンニが銃を持って前を見張っているのが面白い。
アンが起きて、天井を見て場所が違うのに気がつく。服を確かめる、特にパンティを?
ここでのオードリーの表情がまたいい。
掃除夫のおばさんがイタリア語でお説教するのだが。何を話していたか?きっと若い娘が男のところに泊まってだめっと叱っていそうだ。
アンにお金を貸すシーンもまた面白い。管理人のおじさんが不審そうに見るのもいい。

ローマの市などを散歩して美容院に入って髪を切るシーン
髪を切る位置を決めるやりとりがまたユーモラス。でもやっぱり髪を切ってもオードリーは美しい。
ジョーがカメラを探して、噴水の前で観光している少女からカメラを借りようとするんだが。この少女と先生に言いつける少女は、ウィリアム・ワイラーの娘達だ。

トレビの泉
アン王女が髪を切る前に立ち寄る。ジョーがアメリカ人の少女からカメラを借りようとする。

向かったところが有名な階段のあるスペイン広場のシーン
ジェラートを食べるアン王女。全く有名なシーンである。わざわざ後ろに回ったじょーが偶然に見せかけてまた話しかける。

カフェのシーン
二人で道路を見ながら、アン王女がジャンペーンを頼む。ジョーはコールドコフィーを頼む。シャンペーンは、古いシャンペーングラスである。アーヴィンと待ち合わせ。
dead ringer とアーヴィンが言うんだが、これは瓜二つの意味。
そしてアン王女がなんと言うリンガーか尋ねるんだが、ジョーがはぐらかす。
スペイン広場からポポロ広場に通づくバブイーノ通りにあるカフェ・ノテーゲンで撮影された。

飛行機が到着するシーン
黒い背広のシークレットサービスがたくさん降りてくる。

ベスパのシーン
コッロシアムを回って、ヴェネティア広場を通る
撮影のシーンがすごいアーヴィンが車から後ろを振り返って写真を撮る。
今度はアン王女がベスパを運転する。
そして警察に捕まってなんとか取り繕う。二人で結婚するために急いでいたと嘘を言う。そして祝福をしてアン王女にキスする露天商。

真実の口のシーン The Mouth of Truth
またも有名なシーンだ。オードリーの反応は少女のように楽しんでいて
グレゴリー・ペックが手を無くしたように袖中に引っ込めたのは、オードリーは知らなかったので、あの反応は、オードリーの素の反応が出ている。真実の口はサンタ・マリア・イン・コスメディアン教会にあり、本来は怪人トリトーネの顔をモチーフにして作られた下水道の蓋。
祈りの壁のシーン
彼女が祈りの内容を見るシーンもいい。

本当に彼女の自然な演技は、オードリー自体も突然ハリウッドの主演女優になって王女様になった気分だったかもしれない。

サンタンジェロのはしけ  
ローマのテヴェレ川のほとりにSant'Angeloの要塞がある。対岸にあるはしけでダンスパーティ。
彼女が次第にジョーに恋心を抱くシーン。そしてジョーは少し戸惑い始める。アーヴィンの隠し撮りのシーンも楽しい。
ここでシークレットサービスとのドタバタ。マンドリンでシークレットサービスの頭を叩くところもいいね。

川の岸辺のシーン
びしょ濡れの二人。キスシーンである。

もう一度ジョーのアパート。
着替えてから髪をあげているが大人っぽいオードリー。藁で包まれたキャンティだ。懐かしい。フィアスコのボトルである。

車で送るシーン
どうしてかジョーが運転している。車を借りたの?おそらくアーヴィンの車か。
車の中でのキスシーンもいいね。

戻ってきたアン王女が、伯爵や将軍と面会するシーン
もう大人になった王女である。ここがあるからまたこの映画が映えるんだな。

アパートで一人でいるジョーのシーン
ノックをされてジョーがドアを開けると編集長が入ってくる。
記事にできないジョー。アーヴィンが入ってきても写真を隠すジョー。
またもやキャンティを飲むジョー。
彼女はfair game(金儲けのカモ)とアーヴィンが言うんだが。全く気乗りしないジョー。

アン王女との会見のシーン
信頼関係についてのコメントがあり。
その後一番印象に残った国はとの質問に、いつも通りの言葉を言おうとして、思いとどまって、断然ローマと答える。
ライターの小型カメラ写真をとるアーヴィン。
なぜかヒッチコックと記事が名前を言うんだが。本当の名前かも。確か本当の記者が撮影の時にいたようだ。
少し涙をこらえたオードリーの顔がまたいいね。そしてアン王女が退出して、会見は終わるんだが。最後にでていジョーがかっこいい。グレゴリー・ペックも本当にいい。そして名残惜しそうにもう一度振り返る。

脚本は実際はダルトン・トランボが書いたのだが、彼が当時赤狩りにあって投獄されていたため、イアン・マクレラン・ハンターが名前を貸して彼の名前で映画に表記されていた。そしてアカデミー脚本賞を授与されていた。1992年にアカデミー協会は、これを撤回して、トロンボの未亡人に1993年に送った。
これはウィリアム・ワイラーは知っていた。
最初はフランク・キャプラが監督になる予定だったが脚本家が本当はダルトン・トランボだと知って断った。

オーディションでは、ウイリアム・ワイラーはカメラマンにテスト以上にそのままカメラを回し続けてと言っておいた。

イギリスのマーガレット王女のニュースもこの映画の宣伝に一役買っている。

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