dreaming on clouds

江戸川乱歩の陰獣 1977

監督: 加藤泰
出演: あおい輝彦, 香山美子, 加賀まりこ, 若山富三郎

陰獣は乱歩の傑作とされる一つである。
どこにこの魅力があるんだろう。大衆に迎合しているとも思えるのだが、
当時1928年SMは、世間には衝撃だったのかもしれない。探偵がた実業家夫人の誘惑に堕ちて行くのも面白いのだろう。
ただ、背景に横たわる人間の性の描き方が薄すぎるのだが。この小山田静子の過去を探って行くのも何かその過去の深さが見えてこないのである。これは映画だからだろうか。

トリックは当時では非常に独創的だったのかもしれない。ただ今みると最初からわかりそうだが。

あおい輝彦は、その前の年に大ヒットした横溝正史の犬神家の一族で犬神佐清役を演じていた。その後も横溝正史の作品には病院坂の首縊りの家でも出演している。香山美子は、ここで怪しい小山田静子を演じている。ただ、僕には二人とも何か役者のパワーが足りない気がしてならない。
それがこの映画に魅力を感じないのかもしれない。出演者はほかにも豪華な俳優陣が脇をかてめているのに。

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