Gaslight ガス燈 1944

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Gaslight ガス燈 1944

監督: ジョージ・キューカー, ソロルド・ディキンソン
出演: シャルル・ボワイエ, イングリッド・バーグマン, ジョゼフ・コットン, アンジェラ・ランズベリー

第17回アカデミー主演女優賞、美術監督賞

パトリック・ハミルトンの戯曲の映画化。
ロンドンで有名なオペラ歌手の殺人事件が起きる。一緒に住んでいた姪ポーラは、ショックのためその家を去る。ポーラは成長して、夫のグレゴリーとともにこの家に戻ってくる。その後ポーラの周りでは不思議なことが起こり、次第に神経衰弱を来すようになる。

映画の題名となっているガス燈は、路上のガス燈のことかと思ったら、あの時代のロンドンでは家の中にもガス燈があってそれが灯りに使われていたのを初めて知った。そのガス燈が不自然にも急に暗くなったり明るくなったりする。それがポーラの不安定な精神を悪化させていく。

オリジナルが舞台なので、確かに上から物音がしたり、ガス燈の灯りが細くなったりするのは舞台の方がより効果的だろう。グレゴリーが巧みにポーラを神経衰弱に落としいれるテクニックがすごい。見ているものは、グレゴリーが悪者であることがわかりながら、次第にポーラが気が変になって行く所をはらはら見なくていけないところが当時は受けたのだろう。

本当にイングリッド・バーグマンが若く可憐ではかない女性を演じている。夫と家政婦のトリックにより、次第に精神的に衰弱していくところをうまく演じている。その演技が評価されて、アカデミー主演女優賞を受賞している。イングリッド・バーグマンの珍しく歌っているシーンも出てくるのが面白い。
僕はこのときのシャルル・ボワイエの演技があまり好きでない。どう言ったらいいのか、見ていて最初から悪役らしい演技だからだろう。昔の映画だから、観客が誰か悪役であるか分かっていた方が、感情移入ができたのだろう。今ならもっとスマートに良き夫を演じている方が、観客も驚かせるミステリーになった気がする。
近所の老婦人のキャラクターは、典型的なイギリス人の老婦人である。おしゃべりでおせっかいで興味旺盛で、これが本当にいい味を出している。
第三の男に出演していたジョゼフ・コットンは、今回もグレゴリー・アントンとポーラの関係に疑問を持ち次第に真実に迫る好青年を演じている。

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