リュウの道 石森章太郎 1970

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これは、隠れた名作だ。石ノ森章太郎で、超能力を扱ったものは、他に幻魔大戦があるがどちらもすばらしい。

過去からきた少年、コールドチューブ、睡眠学習、変わってしまった地球、超能力
サイボーグ、放射能などによる動植物の変化、ミュータントなど1970年代に作られた作品とは思えぬSFの中でも新しい要素がふんだんに取り入れられていた。

意思の力で、身体のすべてがコントロールできるようになるリュウ、恐怖で白くなった頭髪が、また黒くなるなんてフーンと思ったのを今でも覚えている。

リュウとマリアのキャラクターまさに、サイボーグ009と003である。マリアがショックによって気が狂う、精神的に弱い性格の女性を描くのは、ハムレットの影響もあると思うけど、やはり石ノ森章太郎の姉の影響もあるんだろう。
最終巻では、石ノ森章太郎の考え方が、暴走しがちで、漫画とういよりは未来の世界観を描くエッセイになっている。そこの所が昔は読みづらく(やっぱり今でも読みづらい)徐々に魅力を失っていたのは確かだ。

なんとなく、この話のエッセンスが スタートレックのように思えるところがある。恐怖を食べる生き物、最後に合体して理想のものになるなど。
ちなみにスタートレックは、1966年からである。

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