監督: スティ-ヴン・シャインバーグ
出演: ニコール・キッドマン, ロバート・ダウニーJr.
面白い映画である。アパートメントの上の階に引っ越してきたマスクをかぶった男、ライオネル。彼に惹かれる人妻のディアン。ライオネルの友達達も所謂サーカスにでてくるようなユニークなキャラクターである。こうした人々の生活に吸い込まれて行くディアン(日本ではダイアン・アーバスで知られているが、映画のなかでディアンと発音されている)。彼女は、何とういかデカダンス(芸術的退廃主義)とは違う、個人的な趣向というか少し変わった物に惹かれる性質があるのかもしれない。
映画的にも十分にその面白さが描かれており、次第次第にその世界に観客を引き込んでしまう魅力がある。ニコール・キッドマンは、いつものように線の細い美人がよく似合う。ただ彼女がダイアン・アーバスを十分に演技していると言えるかというと疑問である。多毛症の男を演じているロバート・ダウニーJr.は、ゾディアック、シャーロックホームズなどに出演している雰囲気のある役者である。最後の方にならないと彼とは、わからないのだが。
実際にディアン アルバス(Diane Arbus)は、写真家であり作家である。彼女の被写体は、異常で不思議な世界の人々(小人、巨人、性倒錯者、ヌーディスト、サーカスの人々)である。モノクロ写真でとらえられた彼らの姿は、一般には見難く非現実的に見られるのであるが、逆に強い現実感と存在感を持って訴えかけてくる。シャイニングで有名な一卵性双胎のイメージはこのディアン・アバースの写真から借用されているらしい。彼女は1971年に自殺している。
映画では彼女の愛用するカメラ、ローライフレックスが小物として使われている。
ダイアン・アーバスの写真が見えるサイト
http://www.artnet.com/artists/diane-arbus/artworks-for-sale
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