四季・奈津子 1980

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四季・奈津子四季・奈津子 1980

監督: 東陽一
原作: 五木寛之
出演: 烏丸せつこ, 阿木燿子, 佳那晃子, 風間杜夫

当時としては女性の新鮮な生き方について描かれている。1979年に出版された小説である。その後四季・波留子、四季・布由子、四季・亜紀子と出版されている。四人姉妹のそれぞれの生き方が絵が描かれている。
エーゲ海に捧ぐ(1977、映画1979)がその当時流行った。開放的な性とエーゲ海の美しさがあったが、その次に来たのが、この小説と映画だったかもしれない。
当時から有名な作詞家の阿木燿子のヌードが評判になったのは覚えているんだが、それよりも第6代クラリオンガールの烏丸せつこのヌードのほうが人気があったのはあまり覚えいてない。
確かに篠山紀信の写真の中に阿木耀子も烏丸せつこもあったような気がする。この映画は見たのか見てないのか覚えていないのだが、こんなに烏丸せつこのヌードが出てくるとは知らなかった。
それにしても、烏丸せつこと阿木燿子の二人のヌードの撮影シーンが素晴らしい。それと自分のヌードのスライドを壁に写しながら、その壁の前に立って脱いでポーズをとるシーンは今見てもオリジナルに溢れていて素晴らしい。

女性はやっぱり五木寛之の小説らしく九州博多出身である。彼女が、地元の彼と別れて東京に出ていく話である。
これも新しい女性のあり方を描いている。カメラマンに出会いヌード写真を撮ったり、自己の生き方を貫いているケイと言う女性と知り合いそして、有名な俳優と知り合い女優の道を歩き始める。
あの当時の日本らしく、古い世界からの解放、冒険、夢の実現が描かれている。それ以外に時代背景として、うつ病、レズ、パワハラ的な面接など当時としては新しい題材が入っている。
詩人の田村隆一自身が新幹線で奈津子と話すシーンが取られている。映画のシーンとは全く違うドキュメントタッチで僕には違和感があったのだが、歌を歌いながらパンを得よと田村が奈津子に語るのは印象的である。
なるほど人生は楽しみながら、生きていく糧を得るべきだと言う。それができれば素晴らしいのだが。それがこの映画のテーマでもあるんだろう。

ストーリー的には古臭さもあるんだが、やっぱり映像美、特に烏丸せつこと阿木燿子のヌードシーンは時代を代表する映像美だと思う。

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