魍魎の匣 2007

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魍魎の匣魍魎の匣 2007

監督: 原田眞人
出演: 堤真一、阿部寛、椎名桔平、宮迫博之、田中麗奈、黒木瞳

百鬼夜行シリーズの一つ
登場人物が多すぎて、そして話が複雑でわかりにくい。この京極堂、百鬼夜行シリーズとして本を読んでいないと素直に映画に入っていけない。前作の映画姑獲鳥の夏を見ていれば設定が理解できるかも。
百鬼夜行シリーズはミステリー性も高いが、中禅寺秋彦や榎木津礼二郎に不思議な力があったり、事件も怪奇的なところが多いようだ。特にこの物語は、匣の中に美少女の胴体が入っている。

この映画を見たのは2回目だが、独特の雰囲気、世界観が面白かった。ただ、最後の美馬坂幸四郎の実験棟、匣が崩れて落ちていく中はなんだかあまりも想像を超えた設定で理解できなところも多かった。

今回は、美少女連続殺人事件が起きている中、遺産相続の揉め事から、柚木陽子が彼女の娘柚木加菜子が失踪したために、探偵榎木津礼二郎に依頼することが物語が始まる。
そして関口巽、中禅寺秋彦、榎木津礼二郎が動きだし、次第に美少女連続殺人事件、元女優の失踪した娘,新興宗教の箱を祈る謎の教団 美馬坂近代医学研究所と謎が広がっていく。

久保竣公の小説の話が映画の冒頭に出てくる。箱の中にはみっしりと少女が詰まっていました。こえがその後の重大な鍵であるのは、最後まで話を知っていないとわからないのだが。
美馬坂幸四郎は不死の研究に没頭し人造人間を作ろうとしていた。そしてその人体実験された少女の体が箱の中に入っていたを子供の頃に久保竣公が見て精神異常をきたしたことがこの事件の発端である。
最後の展開も意味不明の中、美馬坂幸四郎も久保竣公も死んでいく。

それにしても美馬坂幸四郎が作った匣は、一体何だったのか。どういう人造人間を作りたかったかわからない。
柚木陽子と美馬坂幸四郎との関係はそれほどストーリーと関連しないのだが、こんな設定にまでする必要があったのだろうかと思ってしまう。
確かに柚木陽子の美馬坂幸四郎への盲目的な愛が、彼らの子供柚木加菜子を救うために?胴体だけで生かされることになるのだが。
それにしても、楠本頼子が柚木加菜子を突き落としたのは、首筋あった黒子というのだから、動機が怪しすぎる。

中禅寺敦子役の田中麗奈は、男装の麗人的な雰囲気で、このおどろおどろしい話の中で爽やかな存在でそこがいい。
中禅寺秋彦は、まさに堤真一節が炸裂している。中禅寺秋彦が、新興宗教、穢れ封じ御筥様の寺田兵衛を、陰陽道の呪文でやっつけるところが面白い場面である。
榎木津礼二郎も新しいキャラクターというよりは阿部寛そのものである。
柚木陽子役の黒木瞳は、これも黒木瞳節ですこし飽きてくる。
逆に宮藤官九郎が演じる久保竣公は新しいキャラクターを作っていて面白い。
柚木加菜子役の寺島咲、楠本頼子役の谷村美月もこの怪奇なストーリーの犠牲者であるが美少女役が似合っていた。
日本が舞台というが、明らかに中国である風景がある。ロケが上海で行われたのは関係しているのだが、わざわざ上海らしい風景を取らなくても良かったと思うけど。

魑魅魍魎(ちみもうりょう)とは、魑魅が山の化けものを指し、魍魎は川の化けものを指す。魑魅魍魎というときは山河すべての怪を指している。
しかし映画の中で説明されているのは、魍魎は、かげのまわりにできるぼんやりとしたもの。魑魅魍魎は、狐狸妖怪のたぐい。と説明している。すこし意味が違うんだが。

再視聴 1回

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