Moonrise Kingdom ムーンライズ・キングダム 2012

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Moonrise Kingdom ムーンライズ・キングダム 2012

監督: ウェス・アンダーソン
出演: ブルース・ウィリス, エドワード・ノートン, ビル・マーレイ, フランシス・マクドーマンド, ティルダ・スウィントン

1965年、ニューイングランドのニューペンザンス島の小さな町が舞台。カーキ・スカウトのサム・シャカスキーが、小さな島でスージー・ビショップに出会う。そして一年後、12歳の二人は駆け落ちするのである。不思議で、ナンセンスな出来事がどんどん起きる。出てくる人物はみんな一癖も二癖もあるのだが、不思議な魅力に溢れて、なにか心温まるのである。60年代のノスタルジアがある。みんなタバコやパイプをすっているのが面白い。

サム・シャカスキーは、真面目なタイプであるが、どちらかと言えば滋味でおたくな雰囲気を醸し出している。両親は幼い頃に亡くし養子になって育てられていたが、その生活は幸せとはいえない。スージー・ビジョップも変わり者で非常に切れやすく周囲と打ち解けない。おそらく母の浮気を知って非常に反抗的になっている。

それにしても9月という初秋に合わせて、そしてカーキ・スカウトのユニフォームとも合わせて、カーキ色の色調の映像である。
それに反して、青色の色調は、福祉局員の鮮やかな青色の服装と、最後の嵐の教会の屋上のシーンは、この映画でも異質な人物と出来事であることを暗示している。ビショップ家の家の中のシーンはとても面白いし非常にうまく作られている。

二人で海岸でおどって、キスをする時にかかっているのは、フランソワーズ・アルディのle temps de l'amourである。そう言えば、スージィーが浜辺で横になっている時の会話と、子猫のあくびのタイミング絶妙だった。

ブルース・ウィリスは、こういう映画ではファンキーな感じがいつも出ている。
ウォード隊長を演じているエドワード・ノートンは、インクレディブル・ハルク、ストーンなどに出演している味のある演技が光る俳優である。
スージーの父役の ビル・マーレイは、ゴースト・バスターズに出演していた。懐かしい。いつもあの表情に何かもっと多くの意味があるんだと思わせる。
スージーの母役は、ファーゴに出演したフランシス・マクドーマンドである。彼女も何か不思議な役を巧みに演じている。ハンドマイクで家族を呼ぶところがまた面白い。

1971の小さな恋のメロディを思い出してしまう映画なんだが。

どうしてスージーはさみで刺したんだろう。どうして犬は死んだんだろうか。これは見終わっても疑問に残る所なんだが。
あの浜辺に二人はどんな名前をつけたのか。やっぱりこれが映画の題名のムーンライズ・キングダムだと思うんだが。映画の中ではそうは言っていないんだが。

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