赤ひげ Red Beard 1965

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原作: 山本周五郎, 赤ひげ診療譚
監督: 黒澤明
出演: 三船敏郎, 加山雄三, 山崎努, 二木てるみ


保本登が長崎で医学を学んで江戸に帰ってきたが、自分が思い描いていた出世の道を歩めず、小石川養生所で働くことになる。そこで、通称赤ひげと呼ばれる新出去定に出会う。保本登は、小石川養生所での経験を積み次第に、赤ひげを尊敬するようになる。
医療ドラマというよりは、ヒューマンドラマである。医学的なことはあまり出てこない。環境対策、食事療法などはでてくるが。
保本登が、いろいろな人々の貧困、死、狂気、病気と立ち向かい医師として成長する過程を描いている。医療の中でも精神のトラウマが中心に扱われている。
映画の中にたくさんのエピソードが詰まっているのに、どのエピソードも魅力があり、185分と非常に長い映画であるが最後まで飽きさせない。終わり方も清々しく満足感を得ることができる。
おとよのエピソードは、ドストエフスキーの虐げられた人びとを基にして山本周五郎の原作から離れている。

撮影は、精緻に構図が決まっていて光と影の使い方がすばらしい。佐八の手の影、保本と狂女の二人の影、おとよの目だけを明るくする照明などが印象的である。
三船敏郎の抑えた演技がいい。そして 加山雄三は非常にうまく保本登を演じている。

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