人間昆虫記 2011

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監督: 白石和彌, 高橋泉
出演: 美波, ARATA

"人間昆虫記"この題名をみて驚き、スケベな女性が描かれていて驚いた記憶がある。あの頃漫画を読んだ自分がどれだけ理解できていたかはわからない。また手塚治虫の漫画を読みたくなった。
美波が演じる十村十枝子の妖婉さが、うまく出ている。最初は、"イヴの総て"の漫画版かと思いながら見て行くと、どんどんストーリは展開して行きより大きな十村十枝子像が出来上がっていく。これが手塚治虫の才能だろう、すごい。この悪女が何故か人に愛される、そして愛さざる負えないのだ。こうした女性を描けるのも手塚治虫のすごさである。
芸術家とは一体何か? オリジナリティーとコピー。ただコピーと言っても少し変化を付ける。これが個性ではないとは言い切れないが、コピーされたものにとっては、その作品が評価されるのは屈辱である。これは芸術家にとってつきものだろう。だれも最初からオリジナルなものを作り上げる事はできない、有名な人のまねから始まり自分のものを作って行く。ここには芸術家としての手塚治虫の言いたい所でもあるんだろう。
手塚治虫が描く世紀の悪人は、バンパイヤの間久部緑郎(マクベスがモデル)だろう。それとこの十村十枝子は地味だが、彼女も女性版の世紀の悪人である。

2011年にはWOWOWにてテレビドラマ化された。

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